はじめに
密着して小技を刻んだり、安全飛びから更に技を出したり。そういうことをしていても無慈悲にモダン操作のワンボタン無敵技で返される。そんな経験はないだろうか。
攻撃をガードさせ続けていれば連続ガードなので崩れない、しかし投げ択を選んだ瞬間にガードリバサ無敵技で破られる、という具合で逆択に怯える毎日。しかし、「連続ガードなのに崩せる」方法がひとつだけある。それは、「連続ガード下段/連続ガード中段」だ。
通常の連ガだと、レバーから完全に手を放していてもどれだけガチャガチャしていてもガードしてくれる。しかしそれは上段技のみに限った話である。下段技は、下方向(テンキーで1~3の方向)に入れている時しか連続ガードしてくれず、中段技は逆に下方向に入っていない(4~9の)時しか連続ガードしてくれない。ということはどうなるかというと、ジャンプやバクステをしようと上方向や真後ろに入れる、もしくはワンボタン無敵技を出そうと前方向に入れる、その場合は連続ガードの最中なのに下段技で崩れてしまうのだ。ガイルやリリーやジェイミーといった多段大足の2段目だけ喰らった経験のある方なら、連ガ下段というものがいかに厄介か分かってもらえるだろう。
上段技を連ガにするとき、レバーから手を放してみると必ず立ちガードになる。これも連ガ中段と理屈は同じ、レバーニュートラルもまた立ち姿勢だからである。ということは、連ガ下段を喰らう時は基本的に立ち喰らいしかしないということ。立ち限定コンボがあるキャラは確認しやすいかも。
先に、レアケースである連ガ中段について、折り畳み内で解説しよう。実戦で繰り出すのはキャラや状況やリソースに強く縛られるが、完全2択の強力な崩しとなりうるポテンシャルはある。
まず、中段技は概して発生が遅いので、バーンアウト中でないとできないことが多い。成立する状況は主に2種類、「DR強攻撃→DR中段特殊技」「DR強攻撃→キャンセル中段必殺技」のように通常技キャンセルから出すモノ、最低空で重ねたJ攻撃や起動した設置技のように有利Fを非常に長く取るモノとなるだろう。
中段の発生が非常に早い20F組だとして、キャンセルDRの走行時間は最低でも9Fかかるので、強攻撃をガードさせる1F目も含めて計30Fのガード硬直が要るという寸法。素の強攻撃のガード硬直が22Fあるなら、バーンアウト相手にDR強攻撃として30F硬直、そこから最速中段を出せばギリギリ連続ガード。最速でキャンセルDRできない技もあるので、その辺は自分でチェック。
目安として、強攻撃のガード硬直Fが中段特殊技の発生Fより2F長いならBO+DRの8Fで走行時間9Fをほぼ埋め合わせて間に合う。ただしやはり、状況限定かつリソース消費が非常に重い。ちなみにパリィDRなら走行時間は最短8F。
DRからすぐさまジャンプすることができた場合は「強攻撃→キャンセルDR→昇り中段」といった疑似的ジャンプキャンセルができただろうが、実際はそうでもないので安心。
キャンセルから出すものといえば、やはり必殺技。中段必殺技を出すのは定番となる。ただし、対になる下段択がない場合は立ちガード安定になるだけ。中下択にして初めて圧がある。
例えば春麗の場合はキャンセルから中段も下段も出せるので崩しとして使える。バーンアウトかDRでガード硬直を増やした屈強Pキャンセル→弱覇山蹴か行雲流水弱Kを出すことで、連続ガードの中下択となる。弱覇山蹴>単発確認SA3とすればリターンも取れる。奇しくもどちらも竜巻コマンドと弱Kだ。
バーンアウトとDRを重ねがけると、発生が少し遅い中orOD覇山蹴/行雲流水中Kでも連ガ中下択できるが、純粋に発生が遅い分見切られやすいので注意。こちらはOD覇山蹴と構え中Kのリターンが高い上に、バーンアウト中なので確定反撃もないのが美味しいか。
ルークならバーンアウトにDRサプレッサーを当ててキャンセル最速インパラー/硬直明け小足とすれば連ガ2択だが、これはモーションが見切りやすすぎる。なるべくなら両方ともキャンセル技だと良い。
2種類目の状況である、ノーキャンセルで有利Fをたっぷり得る場合について考えてみよう。代表的なのは、降りJ攻撃のガード硬直中に昇りJ攻撃を地上の相手に当てる、いわゆるF式だろうか。
ジュリは非常に実戦的に、バーンアウトさせた相手への安全飛び→前方昇りJ中P>OD疾空閃などとして完全2択のF式連ガ中段からダウンさせていける。相手がリバーサルしゃがみ技を出して喰らい逃げする・下段択を捨てて立ちガードに徹するなど、少々リスキーな一点読みをしてこなければ回避できないだろう。昇り中段のリターンが高いキャラであればコレが強力なのだが、大抵のキャラは当てて反撃確定のJ弱単発ヒット止まり、倒し切りの完全2択で使う程度になるか。
長時間相手を拘束する弾や設置技を持っている場合は、そのガード硬直に中段を当てることで比較的連ガ中段を発生させやすい。中下択が備わっている代表例で言うと、JPのTC「ジラントルカー/ジラントナガー」だろうか。通常ヒットでは繋がらないので、設置と組み合わせた崩し専用のTCである。極端に似通ったモーションかつ発生が同じなのでファジーガード不能、ODヴィーハトやラヴーシュカを上手く重ねればDリバを除いて完全2択。まあ要するにバーンアウトしたら確実に崩れるということ。
連ガ下段はジャンプやバクステや無敵技に比較的強いが、逆に言うと連ガ中段はその真逆。上入れっ放しの相手は絶対に崩せないうえに、しゃがんだ相手も見てからド根性ガードで防ぎうる。上記のキャラたちのように下段も混ぜた完全2択を作り、不可避の崩しを狙うのが良いだろう。
ワンボタン無敵技、そのコマンドについて
さて、連ガ下段の話題に移ろう。まずは、対策する相手キャラがどのような無敵技を持っているかが重要だ。クラシック同様にコマンドキャラかタメキャラの2種類に大別され、無敵技のコマンドもおおむね統一されている。コマンドが下入れか否かで連ガ下段の効き具合が全く変わってくるので、そこについて解説する。
まずはコマンドキャラタイプ。昇龍拳やライジングアッパー、キャノンスパイクや天穿輪といった、おなじみの飛び上がり無敵技は、6+アシスト+SPというコマンドでOD版を放つ。必殺技のコマンド入力ではなく特殊技のレバー入れと共通した仕様で、必ず前方向に入れなければワンボタン昇龍は出せない。623を完成させてから4入れファジー昇龍、みたいなマネはワンボタンではできない、例えば6入れてから4入れSPとすると後ろ必殺技が出る。ということは下方向に入っていないので、連ガ下段の餌食というわけ。
クラシックだと逆に、323昇龍でしゃがみ維持されると「連ガの時だけしゃがみガード、硬直明ければ即昇龍」ができてしまう。モダンでも同様にそれは可能なのだが、あえてモダンの強みを捨ててまでガード中に323するかと言われると、可能性は高くないだろう(もちろん対策が進めば別)。
5252コマンドのアムネジアや天昇脚、波動コマンドのスピニング・ミキサー、竜巻コマンドでアーマー技のスクトゥムも含め、1F防御行動のコマンド技はどれも前+アシスト+SP。例外である蛇軽功だけはニュートラルだが、もちろんこちらも連ガ下段には無防備かつガード方向では出せない。
この手の対空技では珍しく武神旋風脚は後ろ+SPだが、この技に1F完全無敵があったのはベータ版だけ。現在では1F対空無敵さえOD版でないとつかない……とはいえ、モダンキンバリーに対してジャンプするのは危険。
モダン操作にて、コマンド入力では出せない(コマンド被りのもう片方の技にコマンドを奪われている)1F防御OD必殺技はスクトゥムとアムネジアと蛇軽功の3種類。これらは、しゃがみを維持しながらコマンドを作ることもできない。とはいえ、天昇脚やスピニング・ミキサーも完全しゃがみ維持は不可能だが。
逆に言えばこれら以外、昇龍コマンドの類はどれもしゃがみを維持しながら出せる。ケンは弱・中龍尾脚の打ち分けを失った代わりに昇龍拳はコマンドで出せる。モダン側の対策が進めば、連ガ下段を凌いでくることもあるだろう。
お次はタメキャラタイプ。ガイルやディージェイやブランカといったタメキャラは、クラシックなら下タメ上で無敵技を放つ。スト6にはタメ分割もないので、下タメを一度でも解除してしまうと再び1秒弱のタメ直しが必要になってしまう。だからクラシック相手なら、連ガに割り込もうとして上入れて勝手にタメを解除したり下段に引っかかったりすることさえ起こりうる。
しかしモダンのワンボタン版は逆に非常に厄介。コマンドが「下+アシスト+SP」、なんとこれはしゃがみガードで連打するだけで連ガ下段は防ぎつつ硬直明けにすぐ無敵技が出せて、しかも下方向からレバーを動かさないがために、技が放たれない限り下タメが解除されない。モダンなのにタメ必須という制約がある代わりに、しゃがみガードと無敵技を両立することを許されてしまったのだ。
これの対策は、前+SP組ほど手軽ではない。読み合いの様子見ガード、条件が厳しいが連ガ中段でしゃがみを潰す、キャンセルインパクトで無敵技を防いで着地を叩く、などの対策を取らざるを得ない。わりと今記事のテーマである連ガ下段から外れてしまうのは否めない。ただし、タメの制約を突くことで下タメ技を出させないことはできる。
能動的に下タメを解除させる方法、それは中段技を立ちガードさせること。ただし普通に飛べば対空されるので、起き攻めでの安全飛びで確実に立ちガードを強要するのが望ましい。安全飛びでJ攻撃を深当て、そのまま有利Fを得て固めると、タメキャラ側は一度下タメを解除したがためにワンガードOD無敵技で割り込めなくなるのだ。
ただしタメキャラ側も、下入れパリィで下タメを維持しつつ疑似的に安全飛び立ちガード、そこからワンパリィ無敵技を出すこともできる。しかしその場合は逆にJ攻撃を出さずパリィを空振りさせ、透かし投げで硬直を狙えば大ダメージになる。つまり、よくある安全飛びからのn択がそのまま対策の対策になっているということだ。多少欲張りたいなら、パリィ解除硬直(通常ガードは可能だが失敗するとパニカン喰らい)にインパクトで壁ドンしたりDR中下択で崩してフルコンボ始動したりという手もある。
タメキャラの1F防御必殺技の中では、1Fアーマーである本田のスーパー頭突きだけは下タメ上ではなく後ろタメ前。これはモダンでも4方向でないと出せない(下方向だと大銀杏投げじゃい)ので、連ガ下段をある程度喰らう余地があるのはコマンドキャラに近い。
さて、全キャラ共通の無敵技としてSAがある。任意の方向+強+SP同時押しで出るワンボタンSAは、バーンアウト中でも出せる無敵技として猛威を振るう。クラシックの場合はコマンド入力に時間がかかるのに対し、モダンだと真空だの千裂だの2回転だのする必要なく特殊技感覚で簡単に出る。もちろん無敵技格差が結構あり、SA1が無敵技ではない場合なんかは安心して攻められたり、SA2が無敵技ではない場合は弾重ねが安牌だったりすることがある(ほぼ全てのSA1には弾無敵がない)が、SA1~3まで全部無敵技のキャラも居る。
まずはモダン版のコマンドについて。SA1は5or6入れ・SA2は4入れ+強+SP同時押し。これらの場合は当然ながら下方向に入っていないので連ガ下段が有効、コマンドキャラの対策と同様。ガイルのみSA1は後ろタメ・SA2は5or6入れという具合で入れ替わっているが、こちらも当然連ガ下段の餌食。本田のSA2は後ろタメ、これは純粋にタメがないと出せないわけなのでめくりJ攻撃に弱いか。
たまに本田が振り向きOD頭突きで対空することがあるが、コレの原理はストIIIのようなタメ分割とは全く異なり、ただのコマンド入力に過ぎない。「後ろタメ→前歩きでレバー要素完成→入れ替えさせてからボタンを押す」と「後ろタメ→入れ替えさせることでコマンドが反転→便宜上1タメ4で完成させてからボタンを押す」の2通りの入力方法があるが、どちらもコマンド入力猶予をフル活用しているだけである。
モダン操作のワンボタン必殺技は、通常技・レバー入れ特殊技同様に、その時入っている方向のモノしか出ないので、表方向で完成させてめくりに裏で出すようなことはできない。
下タメは1Fの隙間もなくめくり後に維持できるが、「後ろタメ→入れ替わる瞬間に前入れ→後ろタメ維持しつつレバー方向は反対」とするのはフレームパーフェクト行動。しかも真下とニュートラルを一切経由してはいけないので極度に困難、トレモでやっても10回に1回成功すればいいほうというレベルである。なので実戦では不可能と断言できる。
ということは、ワンボタンとコマンド入力、どちらも満たさない状況にしてしまえば無敵技が出せなくなる。例えば「後ろタメ前後ろ前」でのみ防御技が出せるキャラ(バーンアウト中でSA3本未満のモダンガイルのこと。BOクラシックガイルは3本持ってても)に対しては、起先行入力とコマンド保持されない程度のタイミングで左右入れ替えを行うと、切り返しを出されるリスクを一瞬だけほぼ消せる。移動技・突進技空振りでダウンを飛び越えて入れ替えたり、浮かせコンボから空中復帰をくぐって表裏したり、いくつか不可避に追い込むルートがありそうだ。
SA3のコマンドはどれも下方向+強+SP、ということはしゃがみっ放しで出せる。ガイルのSA3は後ろタメ前後ろ前だが、ワンボタン版は下タメに変更されているので原則から外れず、入れ替えにも強い。こちらは確かに強力だが、SA3本溜まってる際にしか使うことができない&ゲージ消費が重すぎて無敵SA1・2を使いたくなるのが人情。SA1・2狙いなら連ガ下段で足元をすくえるし、擦ったSA3をガードできたら次のラウンドごと優勢になるだろう。上手くあしらいたい。
How To 下段
連ガ下段が効きやすい無敵技を論じたところで、具体的なやり方・使い方について解説していこう。もっぱらキャンセルDR小足を当てに行くか、ノーキャンセルで有利Fを得るかの2通りになるだろう。
一般的なしゃがみ弱キック、つまり小足の発生は5F。ガード硬直+5F以上なら小足が連続ガードとなる。ザンギエフ春麗エドのような発生4F小足なら+4で、JPみたいに発生6Fなら+6で連ガ。ここは狙って作ったキャラ差だろう。
ザンギエフは連打キャンセルで出した弱攻撃の発生が早いという特性があり(なんと小足に至っては発生3F化)、ただ小足を振るだけで意図せずとも連ガ下段が生じる。スクリューをジャンプや無敵技で回避されないように、しっかり小足を刻みたい。
また、連ガ下段には、投げをジャンプや後方ダッシュで回避しにくくする効果もある。ジャンプするために上へ入れる、後方ダッシュするためにニュートラルや後ろに入れてコマンドを作る、すると立ち姿勢になって連ガ下段に崩されるわけだ。ということは、投げ抜け無効だがジャンプとバクステに弱い技、つまりコマンド投げと組み合わせると特に有効である。
しかし防御側も、小足とコマ投げの2択を一方的に喰らうわけではない。連ガ下段は「ガード硬直中に下段」、投げは「ガード硬直が終わってから投げ」。ということは、ガード硬直中はしゃがみガード、硬直明けにすぐ投げ無敵になれる行動を出せば両対応。難しいとはいえ、ファジージャンプやファジー無敵技を出す猶予はある。
このファジー行動を潰すためには、「2連続ガード」させると良い。全キャラ共通・ほぼクラシック限定行動である「DRコアコア」なら、ファジージャンプで下入れをやめた瞬間に足元をすくうことができる。もちろん、DR小足単発止めで様子見することも可能。打撃をガードさせてキャンセルDRから、遅らせコマ投げ・DR小足コマ投げ・DRコアコアで問答無用の3択となる。
先ほど述べた「ほぼクラシック限定」というのは、モダン操作では基本的に小足は連キャンの途中で出せないからだ。小足は屈弱攻撃の初段、もしくは弱アシストコンボの初段で繰り出すように振り分けられているが、そのまま連打しても「屈弱K→屈弱P」となる。初段を立ち弱Pにしてしゃがみ攻撃を出すと、こちらは「立ち弱P→屈弱P」となる。どうあがいても連キャン小足は出ない。
ただし例外が2名。モダンラシードは「立ち弱P→小足」の組み合わせのみ可能。エドは連キャン対応技が立ち弱P・屈弱Pの2種類だけの結果、モダンでもクラシックと一切変わらず好きなだけ小足(屈弱Pが下段で実質小足)と小パンを混ぜられる。ラシードはDRコパコアかBO相手にコパコアで連キャン連ガ下段を生じさせられて、エドはクラシックと同じことがそのままできる。
エドに関しては理由が分かるが、ラシードは他キャラと比べた際に謎調整と言わざるを得ない(他キャラなら立ち弱P→屈弱Pになってる)。モダンのアシコンや連キャンやアサインされた通常技には、大した理由もなくキャラ差がある印象。今後のアップデートで変わっていくんだろうか。
DR連ガ下段は、2連続こそできないものの中足も使える。本田やJPのような、キャンセル不能だがノーキャンセルで確認が効くタイプが使いやすい。この手の中足は始動補正20%がないのでコンボ火力も伸びやすい傾向にある。キンバリーの中足は別格、キャンセル不能なのに始動補正15%と重たいが、素で被ガード+1なのでDR連ガで+5という嬉しいフレームかつ、ノックバック距離が極端に短い。なのでそこからコアコパと繋いで固めていくことも可能。
通常のキャンセル可能な中足の場合は、連続ガードになる必殺技と組み合わせると良いかもしれない。中足単発確認が困難なゲーム設計かつ、単発止めだとDR版でも不利になるものばかりだからだ。確認可能な崩しとして機能させたい場合は普通に弱攻撃連打安定。
言わずもがな、大足はDR版だろうが基本的に確定反撃をもらうので危険。まして連ガで振る場合はカウンターヒットもしないので、ダウン時間も必ず通常ヒット版になる。DR版なら-3止まりで確反がなく行雲流水で中下択ハイリターン崩しコンボも狙える、春麗のものだけは使う余地があるか。カウンター/パニカンでダウン延長されて重ねタイミングがズレないように基本はコンボ〆で使うのだが、連ガ下段での崩しは似た効果が得られる。ダウン時間が伸びないことがメリットになる例である。
ちなみに、小足を連続ガードにさせたい場合、弱攻撃の持続重ねも有効。「キャンセルタイミングが持続2F目からじゃない技」は、持続ガードでもキャンセル後の有利Fを実質的に増やせるからだ(伝わりにくい)。
例えば、ガード硬直が20Fの強パンチがあり、それをキャンセルして発生19Fの必殺技を出すとしよう。強Pキャンセル弾、みたいな感じだ。ガードさせたその瞬間のFを差っ引いた残り19F相手に硬直を与えるので、キャンセルで出した必殺技がギリギリ連続ガードになる。これは、ヒットさせた次のFから持続を含めた硬直が完全にキャンセルされているからだ。これを、「キャンセルタイミングが2F目から」と呼称した。フレームメーターで見てみれば一目瞭然、攻撃持続の赤色さえ次のFから消滅している。言うなれば、「キャンセル有利19F」といったところか。
だが、一部の技はそうではない。例えばターゲットコンボ、例えば一部の強攻撃など、キャンセルタイミングが遅いものがいくつもある。必殺技キャンセルは最速の2F目で行われるがキャンセルDRは持続終了後だったりとか、技によってはフレームメーター青色の硬直部分まで来てからようやくキャンセルされるとか、遅らせキャンセルが効くとか効かないとか、色々個別で調整されている。
特に小技のキャンセルは特徴的で、必殺技キャンセルは2F目からのことが多いが、連打キャンセルは概ねギリギリ連ガにならないようにキャンセルタイミングが遅く、おまけに遅らせが利く。例えば、ガード硬直8Fの小技から発生7Fの強昇龍を出してみるとしよう。これはもちろん連ガ。だが発生4Fの連打キャンセル弱Pは、3Fも早いのに非連ガである。これは、持続が終わって硬直の部分まで入ってからようやく連打キャンセルが効くから。「必殺技キャンセル有利7F」であると同時に、「連打キャンセル有利3F」になるように調整されているのだ。
さて、2F目から最速で必殺技キャンセルが効く技は、持続当てしても特に美味しいことは起きない。発生当てだろうが持続当てだろうが、残りの持続と硬直が全て消えるからだ。しかし、持続部分がキャンセルされない技の場合は? もうお分かりだろう、その手の技は、なるべく持続後半を当てるほどに性質が最速キャンセル系の技に近づくのである。例えば上記の弱Pが持続3Fなら、最持続で当てれば「連打キャンセル有利5F」と化し、最速連キャン小足が連ガになるわけだ。
モダン対策とはやや関係なくなってしまったが、弱攻撃の持続重ね自体は非常に有用。純硬直が極端に短いので、SAを確認してから防げたり、ジャストパリィされても重たいコンボを喰らわなかったりするからだ。無敵SAは発生がそれほど早くないものが多く、もちろん暗転が存在するので見てから(空キャンDRにならないよう後ろ入れつつ)パリィ可能。そして一発ガードさせてしまえば次の弱攻撃も連ガだったり、単発で+1になったり。ここは各キャラの弱攻撃の持続・硬直や被ガード時の硬直差や連打キャンセルの性質にもよるところなので一概には言えないが、選択肢のひとつとして知っておくのもよいだろう。
ここまでは、キャンセルDRや連打キャンセルといった、キャンセルから下段技を連続ガードにする流れについて語った。次は、ノーキャンセルで有利Fを得た場合の連ガ下段について語ろう。
小足が連ガになる+5F以上の有利で代表的なのは、J攻撃をガードさせた状況か。対空意識のスキをついてJ攻撃をガードさせた直後、無慈悲なワンボタン無敵技で引きはがされる経験は誰しもあるだろう。しかしJ攻撃をガードさせた後に+5以上あるのなら、小足が連ガ下段として成立する。そうでなくとも、ガード切り替えを失敗した相手や投げ間合い脱出の後ろ歩きに当たりやすいので、J攻撃から小足という流れはどの格ゲーでも優秀。
しかし、連ガにする際には、一応少しだけ気を配らなければいけない要素が一つ。それは、「浅めガードでも+5以上か」ということ。浅めというのは、立ち姿勢の相手に持続部分が覆い被さって触れるような、なるべくギリギリの最速ヒットを目指すという意味。対義語は、安全飛びのように最低空でJ攻撃を触れさせる「深め」「深当て」である。
例えば、下方向に極端に判定が伸びたJ強Pなんかは、最速ヒットが極めて早い(37Fやそこらな)代わりに、+5以上の有利Fがつくことがない。もちろん少し遅めにJ攻撃を出せばヒットを遅らせた分だけ有利Fも増すが、その使い方をするくらいなら最速ヒットが遅い横向きキックのJ強Kがより簡単かつリーチも長くて良い。
また、J強攻撃で+5がつくのはわりと共通としても、めくりで使うJ中Kなどの技が浅当てガード+5Fになるかは自分のキャラの技と相手キャラの身長による。ほとんどの相手に立ちガードさせて+5だけど、相手がザンギやマリーザのような高身長キャラには1F早く最速ガードさせられるから最短+4、みたいなことはちょくちょくある。また、めくり技は正面と背面の判定の大きさが違ったりもして、裏当ては最速ヒットが早くなる分有利Fが減るという現象も起こりうる。J弱Kのような軽い攻撃でしかめくれないキャラは、当然ながらほぼ有利Fが稼げずめくり連ガにできなかったりもする。お目当ての相手にガード+5以上つくか、小技は何回刻めるかなど、トレモで確認してみるといいだろう。
そして+5以上を取る代表的な方法をもうひとつ挙げるなら、パリィDR打撃をガードさせることだろう。素で+1を取れる打撃、例えばルーク屈中Pをガードさせれば、そこから始まるガツガツとした攻めを嫌がった相手は無敵技を擦る。しかし前入れしようものなら小足で崩れるという寸法だ。もちろん、初段からDR小足にして立ちガードを崩しつつ連キャン小足も連ガにしてしまう、というのも崩すポテンシャルが高い。
ただまあ、DR技→小足→小パンで3発も技を出さなければいけない都合上、相当密着だったり驚異的に滑る技だったりしないといけない。距離の問題をクリアしやすい点においてもキャンセルDRのほうは気が楽。
起き上がりの持続重ねも有利Fを得やすいが、それはそれで普通に無敵技を擦ってくる可能性は高い。小技の最持続安全重ねなら無敵SAに対して強く、場合によっては連キャン小足が連ガになることも。もしくはDR4F相打ちレシピなんかも面白いが、その辺の起き攻めでの無敵技対策はまた別の話か。
さて、+5以上を取る方法でもっとも優秀なのは、何よりもバーンアウト(以下BO)。BOさせた際の連ガ削り連係の中継に小足を組み込むのは最も強力。どの打撃もDR打撃と同じく硬化時間が+4F伸びているので、DR連係の多くを(通常通りのノックバックであることを除けば)素の打撃で行えるようになったりもする。小足そのもののガード硬直も増えて次の小技が連ガになっていること、そしてその小パンもガード硬直が増えていること、何もかもが強力。
例えばリリーの風スパイアはガード+1なので、BO相手なら+5、つまり小足は連続ガード。風スパイア→コアコパ→風スパイア→……のようにループさせた場合、BO中でDリバを使えない相手は絶対に身動きが取れないのに、もし投げ回避や無敵SAのために下方向から離してしまうと引っかかる寸法である。良くてガッツリ削られ、悪くてヒットからそのまま鬼減りコンボ、これは使わない手はない。この場合、無敵技の準備に時間がかかるクラシック相手に振ったほうが更に凶悪かも。
また、連ガ下段からは少しズレるが、ヒットでもガードでも暴れを潰して最速投げがスカらず掴めるのは、ヒット・ガードの硬直差が2F以内の場合だという話を折り畳みでしておきたい。格ゲーあるある、有利すぎて投げられない! に悩まされないための考え方だ。
例えば、ヒット+4・ガード-2の小パンがあるとしよう。「+4」は、喰らい硬直明け2Fの投げ無敵をすり抜けた投げの最持続が当たるギリギリのフレーム。なので、単発ヒット時にそのまま最速で投げを押してもセーフとなる。そしてガードされても次の連打キャンセル小技が暴れ潰しになるので、図々しい当て投げも可能というわけだ。
では、その小パンをDRで出した場合はどうなるだろうか。これは単発止めでヒット+8、ガード+2。当たり前だが、ヒット時はドデカいコンボが可能な代わりに最速投げはスカってしまう。そしてガードは「+2」からなので、こちらは最速投げで4F暴れを潰しつつ必ず掴める。これは単発確認必須というわけだ。
最後に、バーンアウト中の相手に普通にその小パンを出したとしよう。ヒット+4、ガード硬直だけ伸びて+2。なんとこの場合だけ、ヒット時もガード時も変わらず最速投げで暴れを潰しつつ掴めるのだ。
というわけで、「ヒット/ガード両方4F伸ばすDR」と「ガードだけ4F伸ばすBO」を組み合わせて算数すると、結構色々と遊べる余地あり。元々のH/G硬直差が6F、例えばH±0/G-6の場合にBO+DRすればH+4/G+2。ルークやマノンの小足はH/G差が4FのH-1/G-5なので、BO+DR小足ならH+3/G+3で揃う。マノンなら特に重要で、DRマネージュ・ドレ、DR小足→強マネージュ・ドレ、DR連ガ下段コアコアコパ、これでジャンプや無敵技も潰す3択の出来上がりだ。
5F投げのみならず、一部の発生が遅いコマンド投げでも同じ考え方ができる。最速発生が13Fと遅いエンフォルドなんかでも、BO相手にDRホールド立ち強Pを当てればH+10/G+11となって「どっちでも暴れ潰し」ができたりする(5F通常投げでいうところのH+2/G+3状況)。H+10ということは確認して4強Pからフルコンボできるとはいえ、相手に判断とDゲージ回復の隙を与えず攻め継続するには良いかも。
おわりに
ここまで色々と、連ガ下段の有効な相手や状況、連ガ下段の仕掛け方について解説した。対モダンに限らず、しゃがみガードをやめて上や真後ろに入れるような相手にはとても有効、コマンド投げを持つキャラなら是非把握しておきたい。
ちなみに、連ガ下段の単発ヒット確認をしようとすると非常に厄介。どうやらスト6のトレーニングモードのダミーは、連続ガードだと中下段オートガードしてくるようなのだ(私の設定が間違ってるだけかもしれないが。正しい方法知ってる方居たら教えて)。なので自分でレコードして練習しよう。
この連ガ下段が上手く決まれば、無敵技対策にも崩しのチャンスにもなるだろう。キャンセルDRやJ攻撃与ガードからの攻め手として、知ってもらえたら嬉しい。
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