前半はお読みか?
注意、この記事は前後編の後半です。前半記事はこちら。→ストリートファイター6:柔道対策全部盛り 前半
キャラ共通行動の前半編は読んだね!? ではここからは、キャラ差の大きい柔道対策・投げ重ね対策技について語っていこう。この辺から、投げ読みが成功した際に手痛い反撃を喰らわせる択になってくる。
・三角飛びなど空中軌道変化(かんたん)
三角飛びとは、壁の近くでジャンプしたあと、壁を蹴って斜め上に再び飛び上がる疑似的二段ジャンプ。前述の前方ジャンプ入れ替えと用途や性質は近い。春麗やラシードなら、追い詰められたら積極的に使ってみよう。単純に高いところにいるおかげで、対空技さえ届きにくい。
ただし、三角飛びを落とされると「FORCED DOWN」なる文字が出て、普通なら空中復帰させてしまう技からでも追撃可能になる。相手がちゃんとしてたら、ここから拾って空中コンボを決めてくる可能性あり。読まれて昇りJ攻撃でつつかれ、昇龍拾い>SA3で4割以上……みたいな危険性は十分に考えられる。しかし、垂直Jに対して対空技を出した相手を尻目に飛び越えることができるので、選択肢のひとつとして持っていれば中々役に立つだろう。
ルークのエアフラッシュナックルは、垂直Jでも前方Jでも出せる空中軌道変化技。下部分の喰らい判定が体感そこまで大きくなく、ヒョイヒョイと相手を飛び越える性能がある。垂直Jを狙った対空技を飛び越して透かす、前方Jで使って単純に大ジャンプする、の2通りの使い方がある。着地隙はしっかりあるので、相手が釣られず対空技を出さなかったときは簡単にお仕置き可能だが、入れ替え自体は止められにくい(入れ替えコンボは別)。OD版はゲージ消費のわりに移動距離が減るので逃げ技には不向き、通常版を使おう。
前方Jでのみ出せる「逃げ空中竜巻」はふんわり軌道で進むので、一部の対空が届きにくくなる効果を持つ。ザンギのボルシチは一瞬空中で止まり、上方向に短い対空技(ジェイミーの張弓腿など)を回避して反撃できる。地上の相手を直接叩ける技でなくとも、軌道変化で対空を釣ることができる。
他には、低空ヨガテレポートで裏に回るのも有効。相手を惑わせつつ逆にJ攻撃を仕掛けに行くチャンスにもなる。低空ヨガフロートは動作長くて対空間に合うし攪乱効果が少ないのでナシかと。
ラシードには三角飛びだけでなくアラビアン・スカイハイもある。更に飛び回って攪乱できるのはもちろんのことだが、攻撃判定が地上の相手にも当たるのを活かした下記の使い方がより良いか。
・空中軌道変化のうち、急降下攻撃・低空攻撃(むずかしい)
ジャンプ上昇の勢いを消しつつ攻撃できる技を低空で繰り出し、投げを直接叩く行為。ここからはようやく投げへのお仕置きとしてダメージを取れるようになってくる。ダルシムのドリルキック、キャミィのキャノンストライク、キンバリーの空中OD武神旋風脚、春麗の鷹爪脚と低空百裂などなど色々。ディージェイのニーショットは相手を飛び越えてしまうし着地隙を叩かれるので例外。
こういった技は、投げを読めた時にコンボ始動となってまとまったダメージを得られる。相手の打撃重ねが遅いときなんかは、それも踏める可能性あり。
先に述べたアラビアン・スカイハイも、低空で出せば相手を直接叩くことができる。ずらし押しで他の技を空キャンしたときのみODスカイハイを最低空で出せて、それはしゃがみにも当たるほど打点が低いが、まあ難しいので要練習である。
単純な昇りJ攻撃はほぼ全キャラが持つが、そもそも当てて大幅不利なので「対策」の範疇には含めていない。ただしジュリは昇りJ中Pパニカン>疾空閃があるし、春麗は上述の鷹爪脚からコンボできたりするので、そういったキャラは投げ一点読みの際に使ってみよう。
コンドルダイブは高度制限がキツく、ジャンプ頂点付近じゃないと出せない。なので投げを回避して叩こうとしても、ガードから確反が間に合ってしまう。あくまで、立ち回りでの垂直様子見で相手が弾を撃ったのを確認して突っ込む用か。
・1F無敵技(ややかんたん)
言わずと知れた無敵技で、打撃も投げも殴り飛ばす行為。もっとも強力な択であり、もっとも警戒される択。OD昇龍なりサマーなりSAなり、自他の技はちゃんと把握しておこう。全キャラ共通で無敵SAを持っているが、1本消費だけで使えるSA1が無敵かどうか、発生が早いかどうか、リーチが長いかどうかなど、明確なキャラ差あり。例えばザンギエフのSA1「エリアルロシアンスラム」は、長い無敵こそあれど地上の相手も低空の相手も掴めないニッチな対空投げ。OD無敵技も無敵SA1も持たないキャラは何かと大変。
クラシックなら、SAをパリィボタンで入力することで、リバーサル入力に失敗しても打撃重ねを防げる。ただし、今回のページで解説している柔道対策にはなっていないが。PK同士押しでコマンド被りが起きている場合(例えばリュウの236236P真空波動拳/236236K真昇龍拳)は、その時出せるレベルの高いほうが優先される。1本だけ持っているならSA1が出て、3本フルに持っているならSA3が出るという寸法である。OD必殺技でも、例えば昇龍拳なら「623+パリィボタン+弱Pか強P」とすることで、リバサ昇龍が出なくてもパリィだけは展開されうる。リバサが出なかった際の保険でやってみるのもいいだろう。
1F無敵技には、投げ無敵だけの技もある。ダルシムSA1のヨガインフェルノとリリーのODトマホークバスターには投げ無敵だけついているので、投げ対策でのみ役に立つ。正確にはトマホークバスターには対空無敵もついており、風纏いの弱版とOD版は発生4Fなので5F詐欺の安全飛びにも効くが、地上打撃に対しては単なる4F暴れとして機能する。ダルシムSA2はしゃがみに当たらないのでしゃがみ攻撃重ね安定、リリーSA1は発生が遅いので弱攻撃安全重ね安定、みたいなセオリーもある。そうでなくともダルシムはドリルキック、リリーはジャンプ移行キャンセルタイフーンがあるので、この2名は柔道対策しやすいか。打撃・弾無敵だけの技にA.K.I.のOD蛇軽功があるが、ここでは割愛。
1F無敵技の範疇に含めても差支えないものとして、打撃択には無類の強さを誇る1F当身が存在する。「当身」や「中段」という表現の奇妙さはさておき、みんな大好きJPのODアムネジアは投げも受け止める特殊な当身技。この技がいかに強いかは言うまでもない。攻撃を受け止めた後に後ろに下がる動作を取るが、画面端で使うことで密着を維持して相手の硬直に攻撃を確定させられるという、追い詰められたほうが強い技。高火力入れ替えコンボ(起き攻め付き)もお手の物である。
さて余談だが、こういう切り返し技は概してカウンター時の性能が特殊なものになっている。基本的にパニッシュカウンター時は相手のDゲージをモリッと削るものだが、OD無敵技でのパニカンは相手のDゲージを減らさず、SAはカウンター・パニカンでもダメージやDゲージ減少量に変化が起きない。なので、ダメージ重視の選択肢を取るつもりでないのなら、OD無敵技での対空はパニカン時にDゲージを削れずやや損かも。この特殊なカウンター時の性能は、無敵技のリターンが強くなりすぎないための調整だろう。
とはいえ、ケンやキャミィみたいに無敵技で入れ替えられる連中も居るので、一部の無敵技は本当に強いと考えていい。そしてODアムネジアはあくまで当身技ゆえかパニッシュカウンター時にDゲージを削る性能があり、そうでなくとも自由に反撃技を選んでJP本人の打撃でパニカンさせられるし、入れ替えと大ダメージも見込める。……なんで!? 逆択なのに強すぎない!?
さて、無敵技はガードされると危険だが、ガードされにくい使い方がひとつ。相手がDRしたのを確認して使う時だ。DRからじゃないと柔道できないキャラに対しては非常に有効だろう。投げや弱攻撃の空振り、必殺技などを用いて急ブレーキをかけることはできるが、距離が近ければ昇龍がそのまま届く。ただし弱点がないわけではない。地上でのヒット数が少ない無敵技は、インパクトなどのアーマー技で防げてしまう。相手が技を入力せずに様子見で走ってきたところにSAで暗転した場合は、冷静に無敵SA暗転返しなりジャンプなりガードなりの対応策を取られてしまう。ヒット数が多くてアーマーブレイクできる&暗転が生じないOD無敵技を持っているキャラなら、より安心して使えるかも。
さて、ダウンリバーサルではない無敵技の使い方も紹介しておこう。リリーの空中版SA2「スカイサンダーバード」は、空中SAなのに凄まじく長い無敵時間を持ち、リリー同士でのSA2返し以外で基本的に負けることがない。これが何を意味するかというと、なんと相手の対空技に無敵の長さで打ち勝って逆に殴り返せるのである。「相手が対空技を出してくれた時だけ勝つ」という、相手を信用してるがゆえの暴力的な択だ。立ち回りでもモダン昇龍を釣れるのだが、あくまで読み合い要素が高め。しかし、通常投げスカりの場合は上を見てくれてる可能性が非常に高く、タメキャラの下タメも投げスカり動作中に進行しているだろう。これ見よがしのジャンプで、相手の正確無比な対空を釣ってみるのも手。
・上要素付きの必殺技でジャンプ移行キャンセル(とてもむずかしい)
投げ無敵のあるジャンプ移行モーションで投げを回避してから、飛び上がる前に地上の必殺技を出して相手をシバく行為。全キャラどの必殺技でも(地上・空中でコマンド被りがある兼ね合いでエリアルローリングと流転一文字以外は)可能な行為ではあるが、実用性があるのはサマーや百貫といった下タメ上、そして1回転コマンド、つまり上要素が含まれる必殺技のみと言える。必殺技のジャンプ移行キャンセルは一律で2Fまでしか行われないが、上要素のある技だけ例外で猶予が少し伸びているので、実用的な投げ無敵が得られるというわけ。
タメキャラの持つ下タメ上コマンドの技では、ジャンプ移行動作5Fのうち4F目までキャンセルできる。キャンセル後には投げをスカった相手を当然サマソなりなんなりでぶった斬れる。ただし、百貫以外の下タメ上技は基本的にガードされたら大ピンチのいわゆる「昇龍」なので、素直にOD無敵技として使ったほうが楽だろう(今作の春麗のスピバは無敵技じゃないけど、天昇脚がある)。弱ジャックナイフマキシマムは前方Jより動作時間が長い、あくまで通常技キャンセルで出せることが強みの技。密着での前方ジャンプからめくりJ攻撃が当たらないこと同様に、ジャンプ移行キャンセル弱ジャックナイフも特に投げに対して有効ではないからやめておこう。本田は百貫をガードされてもめくりに行けるので使いやすいだろう。
リリーとザンギエフはジャンプ移行が通常より長い6Fのキャラだからなのか、1回転コマンド投げはジャンプ移行動作6Fのうち5F目までキャンセル可能。最も安定してジャンプ移行キャンセルで投げ回避可能なキャラだ。しかも相手が投げを狙ってきてるということは、互いに投げ間合いであることは保証済み。ほぼ確実に強スクリュー・強タイフーンで掴めるが、様子見や後ろ下がりも構わず掴める弱版かOD版がより安定。
起き上がり1F目には投げ無敵が付与されてるので、それも含めて少しゆっくり目で入力するくらいがちょうどいい印象。そこを投げられたり殴られたりしても当然ながらノーマルヒットで済む。下タメ上なら合計で最長5F、1回転なら最長6Fの投げ無敵を得られるが、それは1Fたりとも狂わない入力の場合。実戦的には3,4F程度と思おう。相手の投げが遅めに重なってると掴まれるが、それはそれで重ねが甘いから4F暴れが通るということ。相手も自分もキッチリと入力に成功している場合のみ通用する技だ。
さて、入力のやり方についても説明しよう。下タメ上はコンボ喰らってダウンしてる間に下タメを完成させてから、起き上がりに斜めJ入れてから4F以内にボタンを押すだけ。何故斜めJかといえばもちろん、どうせジャンプするなら中央では後方に逃げ、画面端では対空される前提で入れ替えるべきだから。モダン操作のワンボタン版は特殊技と同じく「その時に入ってる方向」の必殺技しか出せず、ジャンプなんか入れようものなら当然下タメが解けるので、コマンド入力版だけで行う。
ただしガイル限定で、ソニックとサマソはSPボタンでも後ろタメ前/下タメ上でコマンド入力ができて、その場合もワンボタン版の8割威力だが、ジャスト版が必ず出るようになっている。初心者がステップアップに使う要素という感じであり、上級者があえて使う意味は薄いが、ひとつだけ長所が。それは、「下タメ上+SP」でジャンプ移行キャンセルをした場合は、4F以内に出せればサマソ、5F以上なら空ジャンプが漏れるという点。空中必殺技がないおかげで、空中でSPボタンを押しても反応しないのだ。モダンにおけるパリィボタンやインパクトボタンも、クラシックと違って中P中K・強P強K同時押しじゃないので、バーンアウト明けや着地のリバサで別の技が漏れず簡単に出せる。
1回転の場合は、「426→起き上がりの瞬間→9→5F以内にボタン」という感じで入力するのが良いか。モダンのリリーとザンギなら「上入れ→5F以内に5or8必殺技ボタン」とするだけでジャンプ移行キャンセルできる。ただしモダンザンギの場合は失敗時に最低空ボルシチが漏れる(ワンボタンでもコマンドでも)。モダンリリーはワンボタンで前方or垂直だとコンドルダイブが漏れ、コマンドだとJ攻撃が漏れる。「後方Jに一瞬入れる→ニュートラルに戻しワンボタン」とすると、なんと失敗しても技の漏れない後方空ジャンプが漏れるだけで済み、入力のシビアさのおかげで逆に勝手に数F遅らせになる(ニュートラルに戻さないと後ろ必殺技であるコンドルウィンドが出る)。
ちなみにジャンプ移行キャンセルの場合は、クラシックのパリィボタンを用いても必殺技が出る。優先度は「OD技→SA→パリィ→必殺技→通常技」なので、地上&バーンアウトしていない状態にてパリィボタンでは必殺技が出せないのだが、パリィはジャンプ移行をキャンセルできないために低優先度の必殺技が出てくれる仕組み(ちなみに、上入れとパリィ入れを同時に長押しするとジャンプが優先され続ける)。投げ重ね回避のジャンプ移行キャンセルをミスした際、打撃重ねをジャストパリィできる可能性があるように、パリィボタンで技を入れる手もあるっちゃある。その場合は中版かOD版だけが出せることになる。もしくは投げ入力で入れて(スト6では消えたテクニック「ジャングラ」かな?)、失敗したら投げ抜けになるようにする手もある。この辺の複合入力仕込みは詰める余地がありそうだが、レバー入力が洗練されるほどに役立たなくなるだろう。
全キャラ共通で「起き上がり1F目に付与されてる投げ無敵→ジャンプ移行2F→キャンセル必殺技」と完璧に操作すれば、理論上は最長3Fの投げ無敵を得られる。しかし相手が起き上がり2F目から4F目まで通常投げの持続をピッタリ重ねていた場合、4F暴れもジャンプ移行キャンセルも掴める上にバクステ25F組は+2F止まりで確反なし。それこそジュリの柔道がそれ。上要素コマンド技以外では、難易度ばかり高いのに確実性は皆無といえよう。
それでも一応使い道を見出すとすれば、投げの持続重ねを相手が成功させた(起き上がる瞬間に投げの5,6F目が重なり、投げ無敵が切れる次のフレームで掴む)時のみ、透かして必殺技でぶん殴るチャンスとなる。「柔道が簡単に重なる」系のキャラに対しては使えるかも。特に、空中必殺技を持たないキャラをモダンで使う場合は「上+SP」とすることで、N必殺・前必殺・後ろ必殺を打ち分けつつ失敗時も空ジャンプが出て安全。ニッチなテクニックだが。
余談だが、スト6初期のリリーのコンドルウィンド(214+P)は、ジャンプ移行キャンセル猶予がメキシカンタイフーンと同じく5Fあったらしい。検証したが、今ではそうでもないはず。使えたら面白い技になっていそうだったのだが。
おわりに
ここまで、私が知る限りの柔道対策方法を挙げられるだけ挙げた。どのキャラでも何か1つ2つ、難易度はともかくとして通常投げへの対処法が見つかったはず。23Fバクステやジャンプ移行キャンセルや低空技などなど、択として見せつけていけば相手と読み合いになって対戦が面白くなるだろう。
相手が投げ重ねを完璧に正確に行ってきた場合にて、持ちうるどの「投げ一点読み行動」が通っても相手に一切のダメージが確定しないのは、SAゲージの溜まっていないマリーザとマノン。後方ダッシュが劣悪な全体25F、上要素コマンドの必殺技もOD無敵技も低空必殺技もない。この2名に対してはガンガン狙っていこう。特にマリーザはSA1がアーマー技なので投げ放題。そして「柔道メダリスト」の肩書を持つマノンは、どうやって柔道界を勝ち抜いてきたのか気になるところ。
あとは単純に、ジャンプ移行キャンセルを習得してなさそうなザンギエフや本田といった、OD無敵技を持たないキャラも狙い目。得てしてこういうキャラはデカキャラ、横幅が広いので投げられ間合いも広く、投げ重ねの難易度が低かったりもする。本田のOD頭突きに悩まされないためには、もう投げまくる他なし。柔道に煮え湯を飲まされるより、むしろ煮え湯を飲ませていこう。相手が投げ抜けしそうなら、下がって強Pで投げシケ狩りからフルコンボ決めて勝ってしまおう。初投稿記事なので、体裁はチープだけどお許しを。キャラ増えたり知識増えたりするたびにこれからも追記修正しまくるので。おしまいッ。
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