スト6で初心者に知ってもらいたいムーブ15選:防御編

リュウのノーマル波動拳をOD波動で弾相殺しつつ、スパキャンで疾風迅雷脚を出すケンの図。 ストリートファイター6

はじめに:攻撃編より

 格闘ゲームでは、知識量の差が試合中でも大きな差となって現れる。上級者同士なら必須知識は互いに把握済みなので、腕前や読みで競い合える。しかし格ゲー覚えたての初心者同士の場合は、少し知識で先を行くだけで結構リードできるもの。今回は、基礎知識も応用知識も含めて、15ヶ条ピックアップした。

 攻撃編は5選、防御編は10選となっている。なぜ防御編の紹介が多いかというと、攻撃はボタンを押すだけで相手に押し付けられるのに対し、防御側は次に何が来るか分からず対処が大変だからだ。独断の難易度つきなので、難しそうなのをスルーするのも良いだろう。いつか対戦で「ここに書いてあったコトって、そういうことだったのか!」となった時、それから練習するのも悪くない。

 詳細な解説は折り畳んだり別ページに誘導したりしているので、見てる余裕がない人はどんどん読み飛ばしてもらって構わない。では防御編スタート。

 先に攻撃編から見るならこちらから

1.ドライブパリィは最強の防御行動! ガード方向に入れながらパリィボタンを押しまくれ(かんたん ~ むずかしい、両方の性質を併せ持つ♡)

 初心者の皆さんは、対戦中にどれだけドライブパリィ(以下パリィ)を使っているだろうか。仮に1回も使ってないとすれば実は凄まじい大損、使えるチャンスが数知れない強力な技である。ジャストパリィでなくとも各種恩恵があるので、是非ポチポチ押してみよう。 まず、誰でも見てからできるのは、相手がSAを発動して暗転したタイミングである。「相手がSAを発動したら、ガード方向に入れながらパリィボタンを長押し!」、これが鉄則。空中だったりバーンアウトしていたりするとパリィが出せないので、地上かつDゲージがある状態限定。クラシックだと中Kに化ける可能性があるが、モダンであれば長押しで常に最速で出てくれる。SAをパリィするとみるみるうちにDゲージが回復するので、反撃のコンボでOD技やドライブラッシュ(以下DR)が使い放題になるのである。多くの多段技は1段目を止めればあとは全部連続パリィとなるので、1発目を防いだ後はパリィボタンを離してOK。しかし途中でガード硬直が切れるものもあるので、それらに対しては長押しで最終段をパリィしてから離す必要あり。動き出せるようになったら強攻撃を押して反撃だ。

 投げSA3と一部のSA2だけ見間違えないように。ザンギエフのSA3は見てから回避できないので解説は省くとして、リリーとマノンのSA3はジャンプで避けられるので、しっかり見分けてパリィとジャンプを使い分けよう。一部のSA2というのは、自己強化型の技のこと。ジェイミーが酔いレベルを最大にするSA2、ガイルが弾を連射できるモードになるSA2、こういったものはそもそも攻撃が出ない。なのでむしろ普通に攻撃仕掛けていいまである。

 上で「一部の例外を除いて、1発目を防いだらパリィボタンを離してOK」と書いた。ジェイミーやジュリのSA1、マリーザやマノンのSA2など、途中で連続ガード状態が解ける技の場合は、ガード硬直が解けた間もパリィを長押しして防いでからでないと攻撃を喰らってしまうことがある。その辺は覚えざるを得ない。不安なら最終段までずっとパリィを押しっぱなしにして、最終段が出てから全力で前連打してDRを出そう。普通に最大コンボ始動になるので、無敵技への確反でDR強攻撃を当てるのは大事。

 さて、起き攻めで相手に向かってDRしつつも、様子見で技を出さないという場合を想定してみよう。ここでSA暗転確認、DRで走り始めの時にパリィボタンを押すと、そこではパリィが出せないどころかクラシックなら中Kが出てしまう。この場合はただ後ろ方向に入れて普通のガードに期待するのが安定なのだが、こちらも信頼できる無敵技があるなら逆に切り返す「暗転返し」もできる。暗転返しに関する詳細な説明は、おいおい別ページを作ってやっていきたい。

 ちなみに、キャンセル対応技を当ててから、「5or6(ニュートラルor前)+パリィボタン」でもキャンセルDRが出せる。これはコンボや立ち回りで覚えておくと役立つ知識。弱攻撃の場合は、相手にヒットしていなくても空キャンでDRが出て、こちらもご丁寧に3ゲージ消費される。(相手に触れていない技をキャンセルすることを、格ゲー用語で「空振りキャンセル」、略して「空キャン」と呼ぶのでついでに覚えて)。

 なんでこの話をしたかというと、弱攻撃を出している最中にSA暗転された際に関わってくるから。出の遅いSAには弱攻撃空振りからパリィが間に合うことがあるのだが、5or6入れで押すと空キャンDRに化けて一気にゲージ消費しつつ普通に攻撃を喰らってしまう。これは後ろ方向に入れてるだけで予防可能。これから何度も言うが、パリィボタンを押す際は後ろ入れを手癖にしよう。

 パリィやDR関連の仕様をいくつか更に解説していこう。パリィの最小展開時間は8Fで、空振り後の解除モーションは29Fある。後述するが、この空振り硬直はガードだけができる特殊な硬直。ゆえに、パリィボタンを押す際は後ろ入れを手癖にしよう。

 パリィDRの際のパリィ最小展開時間は3Fとなるが、「攻撃をパリィで防ぐ→パリィを維持したまますぐDR」とする場合のみ追加の展開時間が1Fとなり、スキが2F減る。反撃や攻め展開で役に立つかも。

 打撃をジャストパリィした際のパリィ硬直は、わずか2F。しかも打撃技ジャストパリィの場合は直後に完全無敵が5F付与されるので、相手に攻撃が届くのであれば発生5F以内の技で多段技にも必ず割り込める。全キャラ共通で投げや弱攻撃が該当。

 飛び道具をジャストパリィした際のパリィ硬直は11F。だがこちらは無敵時間が付与されない上に連続ガードが途切れてしまうため、OD弾などの2ヒット弾の2段目以降だけパニッシュカウンターで喰らってしまうことがある。もちろんガードしながらパリィボタンを押すだけで予防できる。念を押すが、パリィボタンを押す際は後ろ入れを手癖にしよう。

 ジャストパリィで確定反撃した際のコンボは、ちょうどダメージが半分になっている。普段の100%→100%→80%→70%→……にそのまま1/2かけて50%→50%→40%→35%→……みたいな感じ。なのでリソースをフルに突っ込んだコンボは相性が悪いかも。ただしSAを絡めると話は別。SA1は30%、SA2は40%、SA3は50%のダメージを最低でも与えられる。「強攻撃>強攻撃>必殺技>必殺技>SA3」のようなコンボなら、バーンアウトの心配なく4割ほどの大ダメージになったりもする。ゲージ溜め、相手のDゲージ削り、運び・入れ替え、起き攻めといった部分には一切補正が入らないので、基本はダメージ以外を優先したコンボを選択してみよう。

 すぐできるSA暗転パリィだけでなく、慣れてきたら要所要所でパリィしてみるといい。失敗しても通常ガードか通常パリィで済み、ジャストパリィになれば大チャンス。基本的に押し得である。色々な局面で使えるので、箇条書きした。

・しゃがみガードできない攻撃である「中段攻撃」には立ちガードしつつパリィ、としたらワンチャン受け止められる。そもそも中段に反応するのが難しいので、反応できた時点でジャストになってることがかなり多い。発生は遅いがリーチの長い牽制技も、「動いた確認」によって同様にジャストパリィできたりする。

・突進技もパリィなら安心。例えば本田の強頭突きはガードするとDゲージが1本減らされて大変危険だが、パリィなら減るどころか差し引き約0.5本回復する。そしてジャストパリィなら反撃も間に合うというわけ。後述するが、最初にゲージが回復する性質がドライブリバーサル(以下Dリバ)との相性抜群。パリィからDリバすれば、厄介な必殺技に困らされることも減る。

・弱攻撃や中攻撃の連係でガードを強制させられてる最中も、是非パリィを押そう。ガード硬直の間に次の攻撃をガードさせられることを「連続ガード」と呼ぶ。その連続ガードが一瞬でも途切れている状態であれば、途中にパリィで割り込むことができる。打撃が来る限りは何度も押してジャストパリィを狙えるし、長押しすればDゲージをみるみるうちに回復させられる。相手の攻撃で押されることで投げ間合いから外れるので、どんどんローリスクになる。

・何か攻撃をガードされたらパリィ。確定しない反撃が相手から飛んでくる状況で、その反撃を受け止めるのだ。相手がハイリスクな前歩き投げをしてこない限りは防げて、しかも運が良ければジャストパリィでコンボし返せる。

・中距離からの生DRを見てパリィ。単なるパンチやキックといった通常技はDR中に出すと慣性がついて滑るが、必殺技・インパクト・投げといった他の行動は滑らない。つまり打撃を当てるのは簡単だが、投げる場合は相当密着しないといけないのである。打撃しか来ないのであれば、もちろんパリィの出番。DRから投げてくる相手には、逆に何か打撃技を振れば基本的に止められるだろう。

・コンボされてる時は後ろ入れっぱなし・パリィを押しっぱなしにしてみるのも手。今作はインパクトで急に崩してくる人が多いが、インパクトや中段での崩しを確実に防げる。パリィに限らず、コンボされてる最中は基本的にガードの意識を切らさないようにしよう。通常投げやコマンド投げは喰らってしまうので、そっちはジャンプや無敵技などで対処を。

・起き攻めでの防御でも非常に大事。投げは防げないとはいえ、打撃や弾が重なってる場合は強固に受け止められる。中段技や下段技、あるいはガード表裏を揺さぶるジャンプ攻撃などが相手でも、打撃であればなんでも防げる上にDゲージも回復。しかもあわよくばジャストパリィに成功して、攻めてきた相手に反撃できるチャンス。リターンがあまりに大きいので、投げられるリスクを背負ってでも使う価値あり。

リバサSAではパリィボタン(すなわち、中P中K同時押しボタン)を使う手もある。コマンドの最後のPやKをパリィボタンで入力することで、なんらかの理由で入力失敗してもパリィが代わりに出てくれるのだ。

 SA同士でコマンドが被っている場合、その時出せる中で一番強力なほうが出る。例を挙げると、リュウのSA1「真空波動拳/236236+P」とSA3「真・昇龍拳/236236+K」はコマンド被り。「236236パリィ」をSAゲージが1,2本の状況で入力すれば真空波動拳が、3本溜まり切った状況では真・昇龍拳が出てくれるというわけ。コンボでも使えるシーンがあるかも。

 ダウンリバーサルに限らず、ガードリバーサルでも同様。むしろ急いでコマンド入力しなければいけないワンガードSAのほうが、必然的にジャストパリィも起こりやすいかも。

 OD無敵技も、パリィボタンを絡めた入力法が使える。例えば昇龍拳なら「623+パリィ+弱Pか強P」と同時押し入力すると、リバーサル入力失敗時にパリィが出てくれることがある。特にA.K.I.のOD蛇軽功なんかはどのみち投げ無敵がないので、用途が非常に似通っているといえよう。

 後方受け身の入力方法は、「ダウン中にボタン2つ同時押し」。これはパリィボタンでも可能なので、ダウンしたらパリィ押しっぱでも後ろに転がる。入力の一助になるか。

 ターゲットコンボ(以下TC)の入力や空中コンボのSA〆でも使えたりする。例えばインパクト後のリリーのコンボ、グレートスピン(以下J下強P)>J中P>ダブルアロー(TC)>スカイサンダーバード(SA2)。J中P後のダブルアローを初めからパリィボタンで押しておけば、スカイサンダーバードもそのパリィボタンで入力できる。さて余談、リリーのコンボトライアルでは「J強K>J中P>……」となっているのだが、J強Kは持続6F・J下強Pは持続11F・両方とも800ダメージ。わざわざ無駄に難易度を倍増させてきているのである。リリー使いのみんなは今すぐJ下強Pに切り替えよう。

 インパクトボタンも強P強K同時押しボタンなので、入力テクニックで使えることあり。インパクト返しの際にSAのコマンドも一緒に入れながら連打することで、コマンドが完成した際だけSAが出たりもする。ただしパリィよりもリスキーな行動かも。むしろ、インパクトを返そうと思ったら勝手に強P・強Kの絡むTCに化けて邪魔になることもある。」 最後にもう一度念押しをしてこおこう。パリィを解除した際の硬直中は、ガードだけできる特殊な状態。パリィを押す際は後ろ入れを心掛けることで、空振り解除時にもガードを維持できる。パリィボタンを押す際は後ろ入れを手癖にしよう。

2.分かりやすい安全飛びレシピにはパリィかファジーガード(むずかしい)

 ちょっとコンボを調べたり動画を観たりしていたらすぐ聞く言葉、「詐欺飛び」や「安全飛び」。これは何かというと、相手がダウンしている間にジャンプして着地ギリギリでジャンプ攻撃を出し、着地する寸前に相手に当てること。この場合、技の動作が着地ですぐさま終了してスキが消え、なんと無敵技での切り返しもガードできてしまう。もちろんジャンプ攻撃を極限まで浅めに当てているということは、有利フレーム(一方だけ先に動ける時間)の長さもえげつない。なのでこの攻撃は非常にローリスクかつハイリターン、相手は密着でどんどん連続攻撃を仕掛けてくる。 ただし、対抗策が一切ないわけではない。安全飛びを重ねてくると思ったらパリィをタイミング良く押すことで、Dゲージを削られるのを抑止できるどころか、ジャストパリィに成功すればこちらが先に動けるようになる。難しいテクニックだが、ガードが間に合う無敵技を出すよりはずっとメリットが大きい。ジャストパリィ後の反撃は確定しないが、後ろ投げや前方ジャンプで位置入れ替えを狙うのが安定か。もちろん、パリィボタンを押す際は後ろ入れ。

 もしジャストパリィが取れても、相手の着地隙を丸々有利Fとした+2(5F詐欺レシピ)か+3(6F詐欺レシピ)止まり。これでは最速技ですら確定しないし、相手によっては無敵技で欲深に反撃してくる。だからこその「安全」飛びである。こちらのできることは大方4つに分けられるだろうか。

・投げ。後ろ投げで入れ替えるか、コマンド投げを狙うか。ただし通常投げは投げ抜けで簡単に対応され、コマ投げはジャンプで回避される。

・打撃。発生5F以内の技であれば、相手の4F暴れに割り込まれることはない。しかしガードされる可能性は高い。少し遅めに打撃を出した場合は、投げ抜けを叩ける可能性あり(遅らせ打撃)。

・様子見ガード。ジャストパリィされた後に無敵技を出す選択肢は強力ゆえに、ガードしてれば更に大きな隙を晒してくれる可能性もあるというわけ。ただし下手すれば普通に投げられてしまうかも。

・前方ジャンプなど、入れ替え行動。相手が投げや4F暴れを出していても前方ジャンプが間に合うし、無敵技を飛び越えられることがあるし、相手が投げ抜けを押してくれたならスキも少なくなる。もしくは本田ならスーパー百貫落としを使ってみるなど、直接的に入れ替えてしまう攻撃技も良い。

 しかし、安全飛びには毎回パリィが有効というわけでもない。最初のうちは普通にジャンプ攻撃を重ねてくるだろうが、あまり何度もパリィを狙っていると流石にバレて、別の読み合いが始まる。

 例えば相手がジャンプ攻撃を出さずにそのまま着地、いきなり投げてくることもある。これを格ゲー用語で「空(から)ジャンプ」から「透かし投げ」をしてくる、と言う。もしくはジャンプ攻撃を立ちガードしようとした相手に対し、ジャンプ攻撃を出さずにそのまま足払いで崩す「透かし下段」というのもある。パリィを押せば透かし下段は防げるが投げは防げないので、パリィを押しても絶対安全なわけではない。

 ならばどうするかというと、自力で両方ガードするのである。相手が空中に居る間は立ちガードし、相手が着地したらすぐにしゃがみガードという具合。どっちの攻撃が来るか分からない(あいまいな)状況で臨機応変にガードを切り替えることを、格ゲー用語で「ファジーガード」と呼ぶ。立ち→しゃがみの切り替えは何も安全飛びに限らず、普段のジャンプ攻撃を防ぐ際にもとても重要なので、スムーズに行えるようにしたい。

 さて、自力でジャンプ攻撃と下段を防げたと仮定しても、投げは相変わらず効いてしまう。そこで、余裕があるなら投げも押して投げ抜けしよう。相手の攻撃をガードしたあとのタイミングで投げを押すことを「遅らせグラ」という。パンチやキックといった打撃は当たった瞬間にガードしてないと防げないが、投げに対する投げ抜けは少し遅めに出しても成功する。上級者はガードと同時にガンガン投げ抜けを押しているので、防御が固いという寸法である。高等テクニックではあるものの、少しずつ取り入れてみて欲しい。

 遅らせグラではコマンド投げは防げない。じゃあどうすればよいかというと、「ジャンプ攻撃はガードしつつ、コマンド投げには打撃技を出す」とするのである。先ほどはファジーガードだったが、今度はファジー打撃/ファジー4F暴れとでも呼べる内容だ。

 やり方と原理はファジーガードと近い。相手が空中に居る間は立ちガード、着地した瞬間に自キャラの最速技を出す。難しいが、成功すればジャンプ攻撃も5F小足も各種投げもバクステもまとめて防げる。相手キャラがジャンプ強攻撃のモーションをしていないのを確認できるとより安定するかも。

 相手の小足が発生5Fならこのテクニックで透かし下段と相打ちするのだが、春麗のような4F小足を持っているキャラが相手の場合、もしくは相手がファジー打撃読みで上段4F技を出してくる場合は逆に一方的に負ける。もちろん、最速で4F暴れしようものなら最低空ジャンプ攻撃に叩き潰されてフルコンボ。そういう場合のために、上述のファジーガード遅らせグラがある。(ただし、4F小足の場合ガードの切り替え猶予が減って難易度が上がっている。やはり強力。)

 色々と話してきたが、実はまだまだ安全飛び対策は語り足りない。他にも安全飛びを防御するためのテクニックがいくつかあるので、あとで別記事を作りたい。」 さて、安全飛びが読み合いだと話してきたが、ひとつだけパリィを押すのが絶対に正解の安全飛びがある。それは、ディージェイがよくやる「ニーショット」を用いた安全飛びだ。ジャンプ軌道をこの技で変えて疑似的に小ジャンプができるのだが、その性質上この技からは透かし投げや透かし下段は一切できない。「ニーショット安全飛びが見えたらパリィ」と覚えておくといいだろう。

3.起き攻めされてる時に、投げ抜けをなるべく押さない。垂直ジャンプはなおさら危険(ふつう)

 通常投げを防げる便利な防御行動、投げ抜け。上記の安全飛び対策で述べたように、遅らせて投げ抜けすれば打撃と通常投げに両対応可能。ある程度このゲームに慣れてきた人なら、密着での防御でしっかり遅らせグラを仕込みまくっているだろう。

 しかし、起き攻め状況では出しすぎないほうが良い。こちらの投げ失敗に垂直ジャンプ攻撃や様子見からの打撃が当たってしまうとフルコンボでお陀仏、つまりリスクは高い。しかし投げ抜けに成功しても五分で離れるだけ、なんと画面端投げ抜けでは前方ジャンプで相手を飛び越せないベストポジションになってしまうので、ダメージという意味でのリターンはゼロ。立ち回りに戻るので、なんとか自力で脱出することとなる。

 じゃあ相手が投げをしてきた際にどう回避するかというと、ジャンプである。ジャンプ出がかりの地上で踏ん張っている「ジャンプ移行モーション」の時点から既に投げを受け付けない状態になっているので、投げ自体は必ず回避できる。ジャンプ移行モーション中にガードできない点は投げ抜けに劣るが、成功した際に直接的なリターンに繋がりやすい。

 しかし垂直ジャンプはやめておこう。真上に飛んでも位置関係は変わらないし、通常投げは結構スキがない行動なので実は対空が間に合ってしまうので、良くてガード/悪くて対空技を喰らって展開がまた続く。

 どうせジャンプするなら斜めジャンプが基本。中央では、対空されにくい後方ジャンプ。画面端では、入れ替えられる前方ジャンプを使おう。例えば前方ジャンプで入れ替えてから昇龍で対空されたとしても、画面端に立つのは相手となり、状況の苦しさは大幅に軽減される。もちろん相手が上手ければ位置関係を維持する対空をしてきたりするのだが、それは上級者同士になってから。画面端での投げ抜けと打撃重ねに向き合うのは、それからでも遅くはない。

 通常投げ空振りの全体Fは30F、つまり0.5秒。しかし相手が起き上がる前に技を出し始めることで、最短で25F、つまり約0.4秒までスキを減らせる。起き攻めで相手が倒れている間に技を出し始めることを格ゲー用語で「重ね」といい、これは非常に強力。相手より先に技を出し始めているので一方的に打ち勝つし、回避されてもスキが減る。

 対してジャンプの全体動作は短いキャラでも45F、つまり0.75秒かかる。下方向に強いジャンプ攻撃が地上に当たるのも、性能が良いキャラでも基本的に36F(0.6秒)目以降。

 そう、これはシンプルな算数で、通常投げをジャンプで避けられてからの対空が基本的に間に合うのである。一応、相手が打撃を遅めに重ねてきてるところをJ攻撃で殴れることもあるが、ほとんどないと考えていいだろう。

 失敗時のモーションが長い「コマンド投げ」を持つキャラに対してだけは垂直はアリだけど、それでも斜めジャンプのほうが絶対に良い。画面端なら当然前方ジャンプで入れ替えてからフルコンボだし、中央での後方ジャンプでもDR打撃や長い通常技で反撃が間に合ったりする。もちろん、向こうが通常投げを使ってくるとやはり対空が間に合ってしまう。

 攻めてる側が相手の投げ抜け失敗モーションを垂直J攻撃で叩く「原人狩り(口が悪いが、この言葉以外で説明しにくい)」というテクニックがある。こっちは何故成立してるかというと、実はコレ、相手が動き出せるよりだいぶ前に既にジャンプを開始しているのである。つい手癖で押された投げ抜けや、対空性能の低い弱攻撃、上方向に判定がない無敵技など、いくつかの行動にはかなり有効。もちろんJ攻撃をガードさせれば更に攻め続けられる。

 DR通常技ガードなどで起こる密着有利状況では、原人狩りをしても投げ失敗モーションへのジャンプ攻撃が確定しにくい。これは、いくら有利とはいえ0.1秒(6/60F)にも満たない差で相手が動き出す「微有利」なので、原人狩りの条件である「相手が動き出すよりだいぶ前にジャンプ」を満たせないから。もちろん後ろ歩きで投げを失敗させる「シミー」でも、投げ間合い外に脱出するのは難しい。こういう「立ち回りでの密着微有利」では、ガンガン投げ抜けを狙っていくと良いだろう。

 垂直で出せる空中軌道変化技(ルークのエアフラッシュナックルや本田の垂直J強P、画面端での三角飛びなど)を自キャラが持っている、そして相手キャラの主力対空技がスキだらけの昇龍系の場合は、垂直で対空を釣って空振らせ軟着陸もできる。ただしこの辺からはむしろ、後述の柔道対策ページで語りたい領域である。

 というわけで、初心者同士の戦いにて画面端になったらもう前方ジャンプしまくるのがおすすめ。投げからの起き攻めでまた投げる「柔道」が強い今作では、投げてくる頻度も高い。打撃が重なってると負けるので、そこは読み合いだ。インパクトでの壁ドン狙いを回避できることもあるので、欲張った相手にお仕置きできるのも嬉しいところ。

 ジャンプ攻撃を出しても良いが、隙が少ない空ジャンプを2回繰り返すのも良い。中央に向けて斜め上を入れっぱなしにすると、1回目の前方ジャンプでめくった都合で2回目は後方ジャンプになる。この2連続ジャンプで逃げると一気に入れ替えられる可能性が減り、安全な立ち回りに戻れる。状況次第で色々使い分けてみて欲しい。

 上級者向けの読み物として柔道対策のリンクがあるので、オタク語りが見たい人はこちらから。

4.弾はなるべくガードしない(むずかしい)

 地上を一気に制圧する、波動拳やソニックブームといった飛び道具。初心者も上級者も共通で対処に困るものだろう。

 実は、弾に対して「ガード」が最適解になる状況は極めて少ない。というのも、弾をガードしただけでこちらは前進を止められてしまい、相手が再び弾を撃つ余裕が生まれるからだ。最低限の原則として、バーンアウトしていないなら後ろ入れパリィし、Dゲージ削りだけでも阻止したい。しかしパリィも、ジャストパリィを除いてはフレーム状況が通常ガードと変わりない。起き上がりに弾を重ねられたなどの不可避な状況を除いて、基本的には弾は回避して近づきたい。自分のキャラが弾を持っているなら撃ち合って弾を消したり、OD弾で打ち勝って攻めるのも良い。ともかく、不可避な状況を除いて、単なるガードは状況が悪くなる一方だ。

 通常技や昇龍などの相手の対空技が届かないくらい離れているなら、まずはジャンプ攻撃を出さずに前方ジャンプしまくろう。弾を踏まないように気をつけながら、ガンガン距離を詰めたい。対空が届く間合いまではリスクがほとんどゼロ、そこから読み合いが始まる。もちろんJPやダルシムといった長い対空技(JPのトリグラフ、ダルシムのアーチや4強P)を持ったキャラも居るが、彼らが相手だったとしても積極的なジャンプは有効だ。

 そして次、「前方ジャンプに対空が当たるが、地上から攻めるのも大変な中距離の間合い」に入ってからのことを考えてみよう。まず、このゲームのルールとして、原則「自分の弾が画面内に残っているうちは次の弾を出せない」というのがある。波動拳を撃ったあと、その弾が相手に触れたり、あるいは飛び越されて画面外に消えて行ったりしない限り、次の弾が撃てないのだ。

 別技であれば、自分の弾を画面内に複数出せることもある。ダルシムが地上でヨガファイアーかヨガアーチを出した後、ジャンプしてヨガコメットを撃つというのが一例か。しかしこういう場合でも、1つの技を連射できるというわけではない。

 ディージェイの強エアスラッシャーなんかは弾を2つ出す技だが、実はコレも強いとは言い難い。「エアスラッシャー!」と叫ぶ&弾2発撃つせいで動作が長いので、弾を撃ったボイス確認でジャンプ攻撃が間に合うのだ。もちろん、撃った弾2発とも消えてからようやく次のエアスラッシャーが出せるので、こちらも画面内1発の原則から外れていないといえる。

 なので、全キャラ共通の弾対策として「垂直ジャンプで凌ぐ」がある。真上に飛んで弾を飛び越したあと画面内に弾が残っていると、相手は次の弾が出せなくなる。そして前方ジャンプで対空される間合いでも、垂直ジャンプなので対空が届くこともないのだ。弾の弾速が遅ければ遅い/相手との距離が近ければ近いほど、画面内に長く残ってくれて有効。

 すると一旦状況が整理され、弾の絡まない立ち回りに戻る。ジャンプしてる間に少し様子見もでき、突進技や生DRで攻め込んで相手の技を潰すもよし、前歩きで地道に近づくもよし。自分が弾を撃つ側に回ったり、あえて弾を再び撃たせて弾抜け技・インパクト・飛びのどれかを通すのもいいだろう。

 ルークの弾「サンドブラスト」は弾速が速いので、垂直で飛び越えても「撃てない時間」が生じることは一切ない。ただし弾が撃たれてすぐ防御側もガードできてしまうので、ルーク側はほとんど時間稼ぎができない(いわゆる安全波動が基本は成立しない)。これはガードしたあとすぐ前方Jで飛び込むことで、ルークが弾を連発した場合は簡単に反撃できる。

 狙ってジャストパリィを出せるようになったら、ジャンプと前歩きで堅実に近づいて行って「弾のパリィに大足仕込み」や「弾のパリィにDR仕込み」などが有効。こっちがジャストパリィに成功した時だけ後出しで確定反撃が出てくれる形になるので、隙が少ないのにリターンはちゃんと得られる。

 ジャストパリィでなくとも、パリィ硬直から出すDRは「パリィ最小展開時間」が少し減って発生が早くなる。ガードから即DRして相手をつつくなら、パリィ後に狙ってみよう。

 前歩きパリィしていくなら、パリィの部分で後ろ入れする際にしゃがみガードのほうで入れると良いかもしれない。もちろん、後ろ歩きが入らないようにするためだ。

 ちなみに、弾を撃ったのを見てから飛んだ場合、強エアスラッシャーや弱紫煙砲などを除くほとんどの技は硬直が解けて、対空が間に合ってしまう。弾を見てからインパクトはある程度有効だが、ガイルのソニックブームは極端に隙が少ないのでインパクト返しが間に合いやすい。というわけで、弾を見てから行動するより、ガード後すぐに一点読み行動するほうがより強力。弾を撃つか対空を準備するかで相手は2択を迫られ、読み合いになってくるだろう。

 しかし、どうやっても完全な対策ができない弾がひとつ。それは「弾速が遅い飛び道具を出し、画面内に残っているうちに相手の硬直が切れる」場合。春麗の弱気功拳やガイルのブレイドやジュリの歳破衝、SAならラシードのイウサールなど。この場合は近づいて投げてくるし、ジャンプしようものなら対空が間に合う。どれもこれも対処が難しく、技ごとに専用の対策をしなければならないものばかりだ。一応、「自分から前歩きパリィしてさっさと防ぐ」が共通か。投げ択に割り込まれる前にガード硬直で投げ無敵を得られるし、一部の弾が途中で消滅してパリィが空振るのを防げ、何より前歩きなのでラインも下がらない。

5.昇龍があるキャラはもう二度とジャンプ攻撃をガードしない(むずかしい)

 文字通り。昇龍があるキャラはもう二度とジャンプ攻撃をガードしない。昇龍拳やライジングアッパーやキャノンスパイクといった「1F対空無敵」を持っているキャラは、技の硬直が終わった次の瞬間からジャンプ攻撃を回避しながら攻撃ができる。弾を撃ったり牽制技を出したりしたあとにジャンプ攻撃をガードできた場合は、基本的に昇龍も間に合っているのだ。「PUNISH COUNTER」の表記が出ている時は絶対に対空が間に合わない時なのだが、そういう通知が画面内に出てこなかった場合は昇龍出し得である。

 クラシックなら、昇龍コマンドを作ろうとしても指が間に合わないことはあるだろう。めくりに昇龍が出しにくかったりもするだろう。しかしモダンなら前入れて必殺技ボタンを押すだけの簡単な仕事。「モダン昇龍があるならマジで絶対にジャンプ攻撃をガードしない」、これは鉄則。弾に飛びが噛み合ってヒットするのは仕方ないが、ガードだけは本当にもったいない。

 サマーソルトキックなどの下タメ上コマンドの対空技も、ブランカのバーチカルローリングを除いて1F対空無敵がついている。タメを立ち回りで作りにくいディージェイはともかく、主力が弾のガイルに関しては必ず心がけたい。特にモダンガイルならクラシックのそれより条件が緩くなっているので、頑張って欲しいところ。

 言わずもがな、起き攻めにて着地スレスレで重ねてくる安全飛びには対空が間に合わないので例外、上で述べた安全飛び対策をしてもらうほかなし。もし出すなら発生の早い弱版だと「6F詐欺」という中途半端なものにだけ効いたりする。

 さて、説明する場がここしかないのでここで伝えておきたい基礎知識がひとつ。それは、「今作の昇龍拳に完全無敵はない」ということ。たまに起き上がりで通常昇龍を出す初心者が居るが、実はアレは数ある行動の中でダントツ一番弱い行動。打撃と投げを両方喰らうのに、相手が警戒してガードした際には重たい反撃が確定してしまう、ありえない選択肢。コマンドミス以外では二度としないように気を付けてほしい。

 弱・中・強の、Dゲージを消費しない通常版昇龍には、あくまで1F対空無敵だけがついている。起き上がりでの切り返しで使う無敵技というヤツは、金色に光ってDゲージを消費するOD版の昇龍のことなのである。

 昇龍カテゴリーの技の中で、トマホークバスターだけはOD版でも完全無敵がつかない。ジャンプ攻撃と投げには無敵なのだが、逆に言えば打撃重ねは効く。リリー使いは気を付けよう。

 今作の共通仕様として、攻撃がパニッシュカウンター(以下パニカン)で入った時に相手のDゲージを削る効果がある。しかし、OD無敵技はパニカン時でもDゲージを削らないようになっている。これは、起き上がりの無敵技が強くなりすぎないようにするための調整だろう。

 対空で使う場合、自分はDゲージを消費しないのにパニカンなら相手のDゲージを削れて、かつ対空無敵も問題なくついている通常版で基本的に事足りる。正面への対空では中版や強版、振り向き昇龍(621入力)でなら発生の早い弱版を使うと良いだろう。

 ただ、対空でもOD版を使ったほうが良いことももちろんある。OD版は弱や中並みの発生の早さなのに強版以上のリーチを持っていたり、ダメージが高かったりするので、確実に倒し切れるシーンなら一番信頼できる性能を持つ。モダンガイルはワンボタン通常版だとジャストサマーにならずダメージが下がるので、ワンボタンと威力を両立させたいならアリかもしれない。キャミィのODキャノンスパイクは入れ替え性能があるので、画面端周りの攻防で正しく使うと強力。状況次第で使い分けられると良いだろう。

 ブランカのバーチカルローリング通常版の対空無敵は途中からの発生なのだが、OD版は1F目から完全無敵。ラシードのスピニング・ミキサー(昇龍じゃなくて波動だけど)も同様なので、Dゲージを使うことで硬直明けから即ジャンプ攻撃を透かして攻撃できる。

 キンバリーのOD武神旋風脚は1F対空無敵が、本田のODスーパー頭突きは1Fアーマーがつく。これらも通常版では間に合わないところで対空ができたりするのだが、こっちはあくまで完全無敵ではないからか、パニカン時にDゲージ削りがついていたりする。この両名も対空オプションとしてOD版を意識してみてもいいだろう。

6.自分のキャラの最速技を知り、密着では押しまくる(かんたん)

 なにかと良く見る言葉「4F(よんフレ)」。これが何かというと、全キャラが共通で持っている、出るのが一番早い技のことを指している。どのキャラも弱攻撃のどれかが発生4Fになっているので、それを把握しているだけで攻めでも守りでも相手に打ち勝ちやすくなる。

 とにかくもう、相手と密着した状況では4F技を押しまくると良い。相手の突進技をガードしてめり込んだ場合はとりあえず4F技を出すと、確定反撃になって安心。そこからキャンセル必殺技を出せば相手はダウン、攻めて有利な展開になる。ケンの龍尾脚など一部の突進技はガードさせた側が先に動けるのだが、それでも「暴れ」の選択肢として投げなどを防げて有効。

 起き上がりなどの要所要所でも「4F暴れ」を意識したい。先ほどから言っている「暴れ」というのは、相手が先に動ける状況なのに技を出すこと。相手が遅めに技を出したり、逆に技を出すのが早すぎたりした場合など、プレイのどこかに穴があったり欲張った攻め方だったりする場合にお仕置きができる。相手がちゃんと暴れ潰しをしてくるようになればガードの優秀さが際立ってくるが、それでも読み合いの選択肢のひとつには常に上がり続ける。まず最初に覚えておくべき行動だろう。

 大抵のキャラの4F技は立ちかしゃがみの弱Pなのだが、リリーは立ち弱K、ザンギエフは屈弱Kだったりしてキャラごとに違いがある。モダン操作ならアシストボタンの有無も把握しておく必要あり。こういうのはちゃんと自分で調べて確認するのをおすすめする。スト6公式サイトのフレームデータにて「発生」の欄に「4」と書いてあるヤツだ。

7.必殺技にSA3を仕込むとインパクトに強い(むずかしい)

 弾や突進技にインパクトを噛み合わされて負けた! という経験は誰しもあるだろう。しかし、SAが溜まっている時にインパクトを出されたら、逆に大チャンスになることもある。

 パンチやキックといった通常技を「キャンセル」して必殺技が出せるのと同様に、通常技や必殺技をキャンセルしてSAが出せる。このことを「スーパーキャンセル」略して「スパキャン」と呼ぶ。スパキャンのルールは主に3つ。「キャンセル可能通常技からは、SA1,2,3のどれでも出せる」、「OD必殺技からはSA2,3のどちらかが出せる」、「OD版じゃない必殺技からはSA3だけが出せる」。まあ要するに、ゲージがいっぱい溜まってる時だけ必殺技からSAが出せるということ。

 必殺技ごとにスパキャンできるタイミングは異なるが、飛び道具は概して出始めからほんの少しの時間だけスパキャン対応。なので、インパクトを出された際にだけSAでキャンセルして返す、という芸当が可能だ。中距離で普通に弾を撃つ途中に、SA3のコマンドを入力してみよう。相手がその場でガードしている時にはスパキャンされない間合いでも、飛び道具を撃ち返したりインパクトで前進してきたりした場合にだけスパキャンしてくれることがあるのだ。OD弾の場合はSA2でも同様のことが可能。かなりの応用編の知識だが、この概念を持っているだけで変わるものがあるだろう。

 それとは別に突進技も、SAコマンドを準備してるとインパクト確認で返せることもある。ルークの主力技であるホールド強フラッシュナックルやリュウの上段足刀蹴りなどの突進技は、スパキャンを受け付ける時間がかなり長い。ヒット/アーマーヒットの際にのみSAを出せるように練習していれば、成功時には一気に勝利へと近づくだろう。

手前味噌。スパキャン猶予の長い技にて、ガードされた時は出さず、アーマーに当たるか普通にヒットした時だけ確認してSA3を出す。成功すると生で4000ダメージなので試合には勝ったも同然。
ちなみに、ホールド強フラッシュナックルをガード後に相手がすぐインパクトを出して屈中Pを受け止めてきた場合、ルーク側は次のホールドをすぐに離して通常の強フラッシュナックルでインパクトを殴り、そこからスパキャンして潰せる。あるいは、屈中Pカウンター時のみ強フラッシュナックルが繋がるので、カウンター確認でホールドを離すこともできる。(どっちもシビアな確認だけど!!)

8.小足をガードしたら後ろ歩き(むずかしい)

 相手と密着してしまった状況、しかも自分より相手が先に動けるような状況はたびたび訪れる。そういった場面にて、相手が弱攻撃を3回ほど刻んでくることがよくある。これはガードしていれば安全というわけでもなく、1回だけ弱攻撃をガードさせてから投げる「当て投げ」という選択肢をやってくることもある。これを回避しようと投げ抜けを押した場合は、相手が更に打撃を遅らせて出した際に打ち負けてしまう。

 ならどうすれば良いか。その答えは、「ワンガード後ろ歩き」だ。弱攻撃を1発防いだら、すかさず後ろ歩き。すると相手が投げを狙っても問答無用で後ずさりして投げ間合いの外まで脱出することができ、弱Pで殴られても立ちガードができるという寸法である。いったん距離を取った後、相手が技を空振ってるようなら反撃の技を出して、ピンチをチャンスに変えていきたい。

 屈弱K、通称「小足(こあし)」は、下段技なのでしゃがみガードでしか防げない。なのでコレは後ろ歩きに当たるのだが、小足は必殺技キャンセルができないという特徴もある。基本的に「小足→弱P→必殺技」という順番で出さないとコンボができないのだが、あまり弱攻撃を出しすぎても相手が押されて届かなくなってしまう。しかも、概して小足は弱Pよりもノックバックがデカいのにリーチだけは妙に長い。なので基本的には弱攻撃刻みの途中に1発しか組み込めないのだ。

 1発だけ小足を組み込む場合、定番の「1発目に小足」だけでなく、「2発目に小足」ということもできる。これを「コパコアコパ(小パン小足小パン)」と呼んだりする。プロゲーマー同士の試合をよーく見てみたら、2発目に小足を出している場面があるはずだ。この場合はワンガード後ろ歩きに途中から攻撃がヒットしコンボが始まる、逆に言えば、それをしてこない相手なら後ろ歩きだけで一方的に投げをスカせるというわけ。

 さて、小足や弱Pが届かなくなる距離まで下がってくるなら中足(しゃがみ中K)を出せば良くない? という声もあるだろう。こっちもまた、少しだけ下がってからすぐしゃがみガードに戻せば両対応可能。今作の通常技は基本的にガードされて不利なので、ファジー暴れなども有効。対策の対策の対策の……というふうに、この辺から読み合いが始まってくるはずだ。

 ちなみに、非常に重要な点として、モダン操作では原則的に連打キャンセル(以下連キャン)の2段目以降で小足を出すことができない制約がある。モダン操作はしゃがみ弱が「小足→コパコパ……」となっているキャラ、アシスト弱が「小足→コパ→キャンセル技」となっているキャラの2種類に分けられるのだが、どちらも「弱→連キャン小足」という繋ぎ方はできなくなっているのだ。「アシスト弱→弱」という繋ぎ方はできるのだが、その逆の「弱→アシスト弱」は未対応となっている。コアコアコパは当然ながら更に無理。

 もちろん連キャンなしでコパ単発→コアが繋がるキャラも居るのだが、投げ回避のためにワンガード後ろ歩きされると概して小足単発ヒット止まりになりやすい。おなじみ「DR弱単発→投げorコアコパ」は可能だが、別にDR中攻撃でもDR強攻撃でも密着有利が得られるなら同様、単にDRが強いだけ。ということで、モダン相手なら小技ワンガード後ろ歩き安定。

 2024年3月4日追記。エドは連打キャンセルの効く屈弱攻撃が屈弱P(他キャラで言うところの小足の性能)だけなので、モダンエドはしゃがみ弱入力が常に屈弱Pになる。それによってコアコアができるのはもちろん、アシ弱1段目(立ち弱P)からしゃがみ弱を出すことでコパコアも可能。なのでモダンエドに対してだけは後ろ歩きが危険かも。エドには地上中段もコマンド投げもないので、屈ガードと投げ抜けを上手く組み合わせて守り切りたい。

9.後方受け身をするか、その場で起き上がるを選ぶ(ふつう)

 ダウンさせられてから特に操作しなければ「その場受け身」になるのだが、ダウン中にボタンを2つ同時押しした場合は後ろに転がって相手との距離を離せる「後方受け身」ができる。この「後方受け身(通称、受け身)」はとても強力なシステムである。投げでダウンさせてから起き攻めで再び投げを重ねる、俗に言う「柔道」があるが、これは画面端じゃなければ基本的に後方受け身で必ず回避できる。一部の技でダウンさせられると「HARD KNOCKDOWN」という表記が出てその場でしか起き上がれなくなる仕様があるのだが、逆に言うとそれだけ後方受け身は有益であり、その場受け身は危険だということ。

 しかし、必ず毎回後方受け身をするのが正解だというわけでもない。例えばジェイミーが攻撃してきてから薬湯を飲む場合や、JPやダルシムのように弾やリーチを押し付けてくるキャラだった場合、つまり起き攻めしてこない相手に対してはいちいち後方受け身をする必要がないのだ。後方受け身そのものは相手の起き攻め技を制限できて有用なのだが、少なからず画面端に近づいてしまう点はマズい。あえて突っ張る選択肢も持っておこう。

 さて、起き攻めで無敵技を使う際、当たり前だが相手が近くに居なければ当たらない。この場合はその場受け身を選ぶことで、無駄に下がらずに相手と密着した状況が作りやすいと言える。逆に自分が攻める側の場合、相手のその場受け身を確認したなら様子見ガードするのも良い。

 ちなみに、「後方受け身の場合はボイスをしゃべる」という、ストVから受け継がれたシステムがある。相手の受け身確認で起き攻めを変えたいときに使えるかも。

10.Dリバは実はとても有用(ややむずかしい)

 ドライブインパクトやドライブラッシュ、ドライブパリィといった便利な共通システム技の数々に紛れ、ひとつ目立たない技がひとつ。それがドライブリバーサル(以下Dリバ)である。だが実はとても有用、相手の厄介な攻めを安定して無効化できる凄まじい防御技なのだ。

 「Dゲージ2本消費で回復可能ダメージをたったの500だけ与える」という、凄まじく微妙なリターンを見て驚いた人も多いだろう。しかし実は、このゲームでは珍しく、一切の読み合いを放棄した「見てから確定」の場面がいくつもある技なのだ。ガード硬直中に前入れ+インパクトで出せるのだが、なんとこの技、直前まで受けていたガード硬直を完全に無視してすぐに動き出せる「ガードキャンセル」行動。しかも無敵がついている&アーマーブレイク属性なのでインパクトなども叩き壊せる。硬直が長い相手の技には問答無用で確定しまくっているのである。

 強龍尾脚やスーパー百貫落としや風コンドルスパイアといった、ガードさせた側が先に動ける「与ガード有利」の突進技は、技動作そのものはとても長い。これらの技はDリバを使うべき代表的な場面だろう。中足や強攻撃などからキャンセルDRしてくる場合も凌ぐのが難しいが、Dリバなら簡単に押し返せる。DRは停止までに少し時間がかかるので後ろ入れっぱなしでも防げないし、ガードキャンセルなので連続ガード連係でも割り込めるというわけだ。OD技やキャンセルDRに対してのDリバは、相手もDゲージを消費しているのが優れている点だろう。Dゲージ削り連係をされてバーンアウトが不可避の場合、ただバーンアウトするぐらいならDリバをかましてやるのも手。

 端での攻防でも有用。例えば画面端で延々攻め込まれてる途中でも、無理やり切り返せる。ただしDゲージには注意。端に追い詰める側なら「攻めのDリバ」として、相手のなけなしの反撃をぶん殴って起き攻めチャンスに繋げることもできる。バーンアウトさせた相手に削り起き攻めを仕掛けるチャンスが生まれるのも優秀。概して、リーチが長い技は硬直も長い。牽制のキック技などには最速Dリバが確定しやすいだろう。

 ガードでは防げないインパクトは、パリィでなら防げて、しかもDリバが出せる。インパクトをパリィできた際は画面が長時間止まって簡単に判別でき、しかもDゲージが2本回復するので、この状況でDリバしてもバーンアウトすることはない。インパクトはガードで-3F、Dリバ以外の確定反撃なし。ここでDリバを使うのもアリ。

 まず、Dリバをガードできると8F以内の反撃が確定する。多くの中攻撃はそれに該当するし、一部の強攻撃が入ったりもする。Dリバへの確定反撃コンボにSAやインパクトを組み込めば大きくDゲージを削れるので、お仕置き用のコンボを何か覚えておくと良いだろう。

 そして、攻めの技をガードされても実はDリバが確定しないことがある。キャンセル可能な多段技のうち、1段目さえ当たっていれば「空キャンセル」が可能になり、何段目かのキャンセル可能部分で技が出せるようになっている。これがどういう意味かというと、本田が弱百裂張り手を相手にガードさせてからDリバされた場合、1段目が触れてさえいれば空振りの最終段も無敵SAでキャンセル可能だということ。相撲ステップの派生技や百裂脚でも同様だし、リリーなら風ODスパイアからSA2が出せる。空キャンで無敵SAを後出しすることで、Dリバを無敵で回避して殴れるというわけだ。

 ジェイミーの立ち強Pやリリーの屈強Pといった多段通常技でも同様。こっちはキャンセルDRを入れ込んでおき、ヒットならコンボ/ガードなら攻め/インパクトやDリバならSA、という具合に打ち分ける使い方だろう。もちろん他の技のキャンセルDRからでも同じように後出し無敵技は可能なのだが、多段技の場合は「普段なら連続ヒットするのに何故か空振り」というところで反応が効くかも。

まとめ

 攻撃編を見に行くリンクはこちら

 攻撃編、防御編ともに長ったらしい内容だったが、お伝えしたいことがいっぱいあった結果としてこうなった。初心者に知ってもらいたいムーブとは銘打ったが、上級者でも完璧にできない内容でもある。しかし一度その概念を知って体感してしまえば、戦い方の意識が変わるものだ。

 なにか不備があったり、間違いがあったり、「いやもっと美しい戦い方があるけど」とお思いになったりした場合は、コメント欄でお教えください。適宜改訂追記修正いたします。

コメント欄

  1. ぐるか より:

    格ゲー初心者です。スト6始めたてのタイミングで、このブログに出会えて良かったです。どの記事も分かりやすいし、勉強になってます。「投げ間合い外2発目」「小技届かぬ3発目」や全キャラ分のキャラ評も待ってます。

    • モフおじ より:

      ありがとうございます!とても励みになります。
      鋭意執筆中ですので、今しばらくお待ちください。

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