ストリートファイター6：独断偏見ルーク解説

はじめに

　ランクマッチ未参加のデータオタクなりに、キャラ評と性能解説でもつけようかと思い立った。手始めに、私がよく使うキャラであるルークから始めることにする。

　基本的にどのキャラも見どころがあるので、キャラ評は「とてもよい」しか出さないので、そこんところは留意して頂きたい。では、まずはそのキャラ評からいこう。

キャラ評

評価：とてもよい

　飛び道具・対空技・突進技の三拍子(いわゆる三種の神器)が揃った、とてもバランスのとれたキャラ。初心者がスト6の基本、ひいては格ゲーを学ぶのにうってつけでありつつ、上級者は更に強みを引き出せる性能といえる。

　1F対空無敵技、前歩き柔道、パリィ対策の置き、中足DR、パリィDRでの減速択(サプレッサーなど)、使い勝手の良い飛び道具、豊富な無敵技、一応できる入れ替えや運びなどなど、スト6という格ゲーで重宝される要素がふんだんに詰まっている。使用キャラに迷ったなら、とりあえずルークを選んでみれば学べることが豊富だろう。

性能解説

　通常技には良いものが揃う。キャンセル可能かつ喰らい判定先行の少ない中足、置きで使いやすく与ガード+1の屈中P、ドライブラッシュと相性の良いサプレッサーや中段特殊技、対空性能が優れた屈強P、リーチに優れた4F技・5F技といった、要所要所で攻めや守りのアクセントとなる技が役立つ。リーチの長い牽制技が少ないが、屈中Pの置き性能やサンドブラストの存在により、差し合いでも常にできることがある。飛びの性能もスタンダードに良い。

　投げ後の状況も良い。画面端では、前投げ後に歩いて再び投げを繰り返す柔道起き攻めが可能(投げパニカンなら中央でも)。前歩き柔道はモリモリとDゲージが回復するので、とても戦いやすい。

　代表的な必殺技であるサンドブラストは、やや特殊な飛び道具。とんでもなく弾速が速すぎて、他のキャラのような「全体動作が終わってからも弾が画面に残る」という現象が発生しない。そして弾が途中で消え、しかも弱・中・強で発生Fと届く距離が異なるため、ジャストパリィしにくいどころかパリィ自体空振りさせることもある(一応、空振り後のパリィDRで対策できる)。起き上がりに弾重ねをするフリして、あまりにも速い弾でパリィを失敗させることさえできる。ジャストパリィが極めて強力なこのゲームにおいて、「技を当てない」ができるのが役立つ。

　しかし弾速が速すぎる性質上、ガードさせた際の有利Fがほとんどなく、いわゆる安全波動(弾をガードした相手に再び最速で弾を撃ち、ジャンプされても対空が間に合う)にはほとんどならない。ただしSA3仕込みと相性が良く、相手の弾やインパクトや技に遠間で噛み合っても激長SA3が繋がって強力。

　ODサンドブラストは硬直が少なくシンプルに優秀。弾速があまりにも速すぎるので「見てからガード」がほぼできないが、SA3仕込みがガードに若干漏れやすいのだけ玉にキズ。OD弾同士の対決ではDゲージ消費追加入力の「フェイタルショット」を用いると一方的に勝てるので、近づくきっかけに使える。

　フラッシュナックルは便利なコンボ技・突進技。そのまま出すもよし、ホールドを微タメして暴れ潰しするもよし、最大までホールドした強化版を使うもよし。弱フラ後のドライブラッシュ起き攻めは優秀、ホールド弱フラとホールド中フラを絡めたコンボは大ダメージ、強フラとホールド強フラは一瞬後退する性能と合わせて無理やり相手に近づいていく手段として使える。ホールド強フラはガードさせて+4、立ち弱Pや屈中Pと組み合わせれば無類の圧かつ、SA3でスパキャンすればインパクト割り込みも潰す。

　ホールドを解除するタイミングがよければジャスト版になり、ホールド版よりダメージや状況などが良くなる。屈強P>ジャスト中フラ>ジャスト弱フラ>ノーマル強フラ>SA3のコンボは、見覚えがある人も多いだろう。

　OD版は、発生がとても早い浮かせ技。屈弱Pから繋がり、そしてSA1にも繋げられるので、モダンの弱アシストコンボでもおなじみ。地上ヒットの場合はDゲージ消費追加入力で受け身不能打撃投げ「DDT」(実は発生1F)に派生できるが、これはあまり使われないレア技か。

　空中版でエアフラッシュナックルというのがあり、J中Pと組み合わせてのエリアルコンボ、もしくは画面端脱出の対空透かしに使われがち。微タメ低空当て>SA1という高難度コンボなんかもある。エアフラには一応OD版もあるが、パッとしない性能。

　ライジングアッパーは1F対空無敵、いわゆる昇龍というやつ。これがあるだけで本当に優秀、立ち回りでは相手のJ攻撃をガードする必要が一切なく必ず対空が間に合うといえる。OD版は無敵技として役に立つので、割り込みや弾抜けで使えるポイントを知れば非常に強力な防御として機能しつつ、もちろんパナしでも強い。OD版追加入力の「スラムダンク」を使えばDゲージと引き換えに火力が伸びるので、無敵技なのに倒し切りのダメージも見込める。

　強ライジングアッパーは発生が9Fと、他のキャラの昇龍に比べて若干遅い(他キャラは弱, 中, 強, ODの順に5F, 6F, 7F, 6Fとなっているのが多いが、ルークは強版だけ遅い)。それゆえ、有利Fが少ない弾の性能もあいまって空ガードされやすい。とはいえそれほど使いにくいというわけでもない。

　アベンジャーは、化けてピンチになることが多い変な技。別に解説の必要もないので折り畳み。

　ルークのSAは、どれも無敵がついており切り返しとして使いやすい。というか無敵を擦るモダンルークの絵面はみんな想像がつくだろう。

　SA1「バルカンブラスト」は、リーチと発生(6F)に優れるサンドブラストの連続射撃。初段発生までの間は無敵があるので割り込みで使え、そして弾相殺を利用して擬似的な弾抜けにも使える。ライジングアッパーを出そうとして真空波動+Pがうっかり漏れる・弾相殺しようとして(SA1は一部の例外を除き弾無敵はないので)喰らってしまう・飛び道具なので弾抜けに負けることはあるが、目立った弱点はそのくらいか。確定反撃するなら、パリィDRでコンボ・初段インパクト・5発目を撃たれる前に遠くから前方ジャンプ、の3通りのどれかが良いだろう。

　SA2「イレイザー」は、リーチは超短いが発生5Fの完全無敵技。火力が高いので、コンボの〆でも使える。リーチが短いおかげで、パリィしようとしてスカった相手が反撃を失敗することがたまにある。

　SA3「ペイルライダー」は、驚異的な前進力を誇る突進技。相手との距離によって発生Fが変わる性質があり、かなり遠くからでも弾抜けができる。浮いた相手に繋がりにくいので、ライジングアッパーのスパキャンはバーンアウトへの削り切りでしか使えなかったりする。

　モダン操作の場合でもルークは優秀、よく作り込まれていると感じる。中段やサプレッサーがあるので攻め手はしっかりあり、弱アシストコンボに小技単発確認性能がついており、強度差のないアベンジャーはワンボタン専用技になったことで必殺技も全て出せる。そして、ワンボタンで出るライジングアッパーによる驚異的な対空反応、リーチの長いワンボタンSAによる弾抜けや割り込みといった、モダンルークならではの強みも十分。

　弱点を挙げるなら、一部の通常技が消えた点か。長い5Fかつ低打点差し返しができる立ち弱K、牽制でチマチマ使える立ち中K、空対空J中P、鋭い飛びのJ強Pが失われている。そして特殊技のアウトローキックが消え、火力が若干落ちている。

　そのキャラが持つ中で一番威力が高い強攻撃を、私は勝手に「マリーザ技」と呼んでいる。ルークのパンチ強攻撃はどれも800で、コンボに組み込みにくい立ち強Kと大足は900。しかしアウトローキックだけは1000で、これはコンボ始動にもコンボパーツにも使える。クラシックルークの火力を伸ばすのに貢献するこの技が出せない分、ワンボタンSAの仕込みや割り込みを見せつけていきたい。

おわりに

　語りたいことをたくさん語れて満足である。初心者の人は、特にこだわりがなければ最初にルークを触ってみるのがいいと思う。ハイスタンダードにまとまっているルークを使えば、ゲーム全体の仕組みがなんとなく掴めていくはずだ。