ストリートファイター6:小技と投げをどう防ぐ 投げ間合い外2発目

マリーザの小パン先端をマノンがドライブパリィする図。 ストリートファイター6

序論

 前回の「密着1発目」からの続きで、ここでは相手側が小技2発目・3発目を出すか当て投げするかのシンプルな択に挑む。基本的に小技を出したなら、ヒット確認だったり距離を離したりするために刻めるだけ刻むもの。攻撃側がヒット確認で手一杯なように、防御側も複雑な入力は困難。うっかり暴れたりコマンド入力したりするとガードが崩れるので、基本は斜め下に入れてしゃがみガードを維持しつつ、読みに合わせて別の行動を出していく。

小技ワンガード

 1発目のガード時点ではギリギリ投げ間合い内、2発目ガード時点で完全に投げ間合いから外れるものとする。ここでは、1発ガードさせて最速で投げに行くのを当て投げ、投げ間合い外から近づいてから投げるのを歩き投げと呼称する。

・後ろ歩き

 立ちガードの方向にレバーを倒し、打撃が来たら防ぎつつ、投げは後ずさりで間合い外に出て回避する行為。

 打撃技(飛び道具も含む)には、公式で「ガード待機判定」と呼ばれる、相手にガードポーズを取らせる効果がついている(ユーザー間では通称「影縫い」とか「空ガード判定」とか呼ぶ。多分2F目から生じてる)。例えば、インパクトを出されたりアムネジアをくっつけられたりしたあと、真後ろに入れても全然歩かない。この判定がなければ、後ろ歩きで延々弾から逃げたり遅い打撃をスカしたりされてしまうわけだ。

 だが私の知る限り、このゲームの投げにはガード待機判定が存在しないはずなので、技動作が始まっても平気で下がって逃げることができる。小技は連打キャンセルするから暴れ潰しになるのであって、止めてしまえばそこで不利になる。相手が連キャンをやめて投げを押した場合、数F分を確実に下がれるので、通常投げではとても届かない間合いまで抜けられる。これはコマンド投げでも同様、その技の投げ間合い次第ではあるが、後ろ入れで回避できる状況は時折ある。

 しゃがみに比べて、立ち姿勢は上方向の喰らい判定が高い分だけ横方向の判定が細い。なので、ただ立つだけでも投げや小技3発目が届かなくなることもしばしば。相手キャラの小技の質次第では、後ろ歩きをするだけでほぼ完璧に防御できてしまう。その対策をするには、後ろ歩きを止める下段、つまり小足を2発目に組み込む「コパコアコパ」や「コアコアコパ」をする必要がある。3発目が小パンなのはもちろん、キャンセル必殺技できちんとリターンを取りたいからだ。

 小足は概してノックバックが小パンより長いので、キャラによっては3発目の小パンが届かなくなることもある。しかも、ラシードとエド以外のモダンはそもそも、ボタンの制限によって連キャン小技の2発目以降に小足を組み込めないようにできている。エドは連キャン対応技が立ちとしゃがみそれぞれ1種類ずつなおかげで、クラシックと同様に制限なしの連キャンが可能。ラシードは立ち弱Pから小足に移る時だけ小足が出るので、できるのは「立ちコパコアコパ」だけ。

 ヒット/ガード、立ち/しゃがみ、ノーマル/カウンター、何発目から崩れるかによっても3発目が届くかは変わる上に、ヒットバックとガードバックのどちらが大きいかも技ごとに差があり、しかも初段と連打キャンセル版はまた別のステータスが付与されていることもあるので、必ずしもこのキャラは3発刻みが届くとか届かないとかは確証を持って言えない。とはいえ、ラシードとエド以外のモダンキャラが相手なら基本的にワンガード後ろ歩きで解決するのは間違いない。

 「小技単発止め→中足」に崩されないよう、ある程度下がったらしゃがみガードに切り替えてじっくり構えるのも良い。投げ間合い脱出とガードを兼ねた「微下がり屈ガ」にすれば、投げ間合いの広いコマンド投げを除き、モダンキャラには小技から崩されることはほぼなくなるはず。

・最速暴れ

 小技1発目、または2発目をガードしてすぐボタンを押す行為。連キャン小技の多くは隙間が1F~3Fほどなので、何の考えもなしに暴れても潰されるだけ。ここでの隙間1Fとは、トレモのフレーム表示でガード硬直が解けた次のフレームで再び黄色のヒット/ガード硬直表示が現れる状態のこと。発生1Fのパリィなら割り込める、もしこのゲームに神の発生1F小パンがあれば相打ちできる、みたいな認識。

 小技は単発ヒット確認が困難なので、暴れ潰しされてもキャンセル必殺技でコンボされないということは往々にして起こりうる。とはいえ3発刻みやカウンター確認がありうるし、入れ込み必殺技で押し込まれることもある。カウンター時はヒットバックが多少なりとも減少するので、小技3発目と必殺技の間合いから外れてスカることも期待できなくなる。暴れ潰しされるにしても、2発目と3発目に割り込んでヒット確認させないのが良いか。

 モダンの多くの弱アシストコンボ(主にコアコパ系)の自動ヒット確認は、小技2発目だけ引っかかったときでもキャンセル必殺技につないでくれるし、ガードされれば次の打撃を出さない。これもまた暴れ潰しからリターンを取り損じない例だ。

 とはいえ、コアコパ系弱アシコンには弱点がある。2発目をガードされた時点で連キャンがそこで停止する点だ。小技を止めればそこで不利なので、防御側は反撃を出せるようになる。手動の小技3発目で暴れ潰しすることもできるのだが、それもリターンは得づらい。単に小技単発確認が大変なのもそうだし、アシコン必殺技と手動小技を同時に入れ込むという操作が複雑な連打を要求してくるので両立が困難だからだ。コアコパ系の弱アシストコンボを使ってくる相手に対しては、2発目ガード後は最速で反撃技を押してみると良いだろう。

 キャラによっては、小技をチェーンする組み合わせに次第で連キャンに4F以上の隙間が空き、相手が最速で割り込ませた4Fと相打ちしたりする。そのような場合は最速暴れも強固な選択肢か。

 相打ちさせる場合は、相手の小技のヒット硬直と自分の4F技のヒット硬直の差が少し重要になる。連キャン側は常に被パニカン状態なので、割り込み側のカウンター喰らいを差し引いても+2お得かつDゲージ削りもついてくるのだが、自分の小技が弱い場合は相打ちでも微不利を背負いかねない。例えばディージェイの立ち弱Pが最短の13Fなのに対し、JPの屈弱Pなどヒット硬直が長い部類は17F。ダルシムの4F弱スラは普段当てて不利な分、ヒット硬直そのものは18Fなので、小技との相打ちは基本的に有利になる(が、4F目時点のリーチが短いので相打ち狙いだと一方負けすることはある)。

 リリーの風纏い弱orODトマホークバスター、ケンの弱竜巻など、発生4Fかつダウンさせる必殺技で暴れた場合は、相打ちでも一方的にダウンさせて超有利にできる。とはいえ素早いコマンド入力が要る&ガードされれば危険というのは把握しておこう。

 マリーザは小足からの連キャンが暴れ潰しだが、小パンからの連キャンには割り込める。小足を2発目以降に組み込めないモダンマリーザなら「コアコパコパ」しかできないので、「2発目を後ろ歩きで防ぐ→3発目には最速4F相打ち」とするといい。当て投げは回避・アシコン2段止めには小パンをガードさせられる・3発刻みにはパニカンとなり微有利で離れる寸法だ。

 また、モダンブランカは小足から屈弱Pにしか連キャンできないので、小足ワンガード4F暴れして悪いようにはならない。クラシックは4F立ち弱Kに繋げられるのだがモダンでは6F屈弱Pしか出せず、5Fの隙間が空いて必ず4F暴れで勝てるのだ。なんならクラシックブランカの「連キャン版立ち弱K」も連キャンタイミングが単発版より1F遅くなっており、3発刻みにするために必ず最終段で用いる屈弱Pと4F割り込みが相打ちになる。

 モダンダルシムは屈弱Pを初段で出せず、小技3発チェーン中に必ず1ヶ所は相打ちできるポイントが生じたりする。他にも、多くのキャラがクラシックのみ可能な「コアコアコパ」は、小足と小足の間で4F相打ち可能なものがいくつかあったりする。

 ……などなど挙げればキリがない。対策したい相手キャラごとの連キャンの質を把握しているなら、ワンガード・ツーガード暴れは有効に働くだろう。

・ファジー暴れ

 遅らせグラとも似た操作で、相手が攻撃をガードさせてくるタイミングから遅れて攻撃を出すこと。連キャン小技は短い間隔で襲ってくるが、当て投げ・歩き投げはそれなりの間隔が空く。両者のタイミングが異なることにより可能になったテクニックだ。

 利点はいくつもある。打撃は防ぎつつも投げが来た時だけ叩けるので、遅らせグラに近い効果が得られる。五分状況で離れておしまいの投げ抜けと違って、コンボから明確なリターンが得られる。隙のある投げ抜けを釣られた場合はグラ潰しからフルコンボだが、小技はコンパクトで隙が少ないし、なんならガードさせればこちらのターンにすることも可能……といった具合。

 打撃をガードさせてから即掴みに来る当て投げには安定してカウンターヒットするが、歩き投げに対しては前歩きにノーマルヒットするだけのこともあり。「弱Pカウンター>中P>……」のようなコンボをする際は、しっかり遅らせたりカウンター確認したりなどで気を付けよう。しかしカウンター限定コンボは高火力で、例えばルークは「小パン中パンDR……」とすれば、普段の中足DRに300ダメージほど足したコンボになる。これが逆択で防御がてらに仕込めると考えれば、ファジー暴れの強さが分かるだろう。

 もしくは発生が早い中攻撃などでもファジー暴れは可能、その場合は更に補正が減って高火力なのはもちろん、ガードされても連係したりキャンセル行動で攻めたりと幅が広がる。投げ間合いの広いコマンド投げや先述のケンの弱竜巻といった、必殺技暴れも有効。コマンド投げならいきなり相手を掴んで驚かせられるし、弱竜巻暴れは相打ちに強いうえに1段目ヒット時のリターンも十分。ガードに仕込めさえするなら、織り交ぜてみても良いだろう。

 ……とまあ、このように優秀な点を列挙したが、ファジー暴れだけを叩く方法もある。それは、小技連キャンのタイミングより更に遅らせた打撃を出すことだ。

 まずは、あえて連キャンせずに、ノーマルヒットが+4や+5の小技を単発止めして確認するパターン。ノーキャンセルで小技を刻んでからキャンセル必殺技を出す「コパ→コパ→弱K>必殺」という具合だと、ヒット後のコンボは成立させたまま、遅らせ打撃はある程度止めつつ、ジャストパリィのタイミングもズレる寸法。

 暴れてくるのを完全に読んだ場合は、一瞬下がっての強攻撃や必殺技の先端など強い攻撃判定で差し返すこともできる。そこから小技よりもはるかに強力なパニカンコンボに行けたならリターン上々。もしくは小技キャンセル必殺技で「遅らせ暴れ潰し」をすることも可能、カウンター時にコンボ始動になる必殺技なら当然こちらもリターンが良い。

 とはいえ、どの場合でも「遅らせ暴れ潰し」には相応のリスクがつく。遅らせ暴れを潰す場合、最速暴れが逆に通るようになってしまうからだ。常に逆択を忍ばせることで、小技からの当て投げにリスクを負わせられるだろう。

・後ろ歩きファジー暴れ

 ここまでいくつか紹介したものを全部合体して同時に行うバージョン。ワンガード後ろ歩きでガードを維持、投げてこようとした相手をスカして、投げの空振りを叩く寸法だ。というか、後ろ歩きから投げの空振りが見えた後に技を出せば、必然的にコレになるだろう。

 利点と弱点も、両者のものを継承したカタチだ。ガードしたまま投げを回避できて、回避からのリターンが得られる。しかし小技を刻む途中に小足を混ぜられると立ちガードが崩れるし、「遅らせ暴れ潰し」の行動を出されても負ける。

 こちらは直前に後ろ歩きを行うので、暴れに使う技はリーチ長めが望ましい。足元の喰らい判定があまり伸びないストレート強Pやミドルキック中Kなどを持っているキャラなら、後ろ歩きを止めるために出された中足にも勝ちやすいはず。しかも投げを潰せた際のリターンは攻め側のシミーと同等だ。

 小足を連キャン途中に組み込めない多くのモダンキャラに対しては、とにかく立ちガードと遅らせ暴れで攻めの弱さを突いていきたい。

・遅らせグラ

 打撃をガードするタイミングから少し遅れて投げを入力する行為。ガードは攻撃が当たる瞬間にのみ成立するが、投げには掴まれてからしばらく投げ抜け猶予が存在するので、そのタイミング差を利用したモノ。

 密着状況では互いに投げ間合いから脱出するにはひと手間かかったので、相手が動きを止めていればそのまま投げてしまうことさえ起きた。しかし小技を刻み始めたあとは間合いから多かれ少なかれ遠くなってしまうので、シミーやジャンプのみならず、ただの様子見にも普通に空振りしてしまうことが起こりうる。ファジー暴れやジャストパリィなどを警戒しての遅らせ打撃やただの連係技が、遅らせグラにもついでにパニカン、そこからフルコンボ……。

 ファジー暴れを言い換えれば「遅らせ暴れ」、遅らせグラを言い換えれば「遅らせ投げ」。後者は単純にリーチと判定がめちゃくちゃ弱くて、成功しても投げ抜けして終了、おまけに隙だけデカいという、選ぶ利点が特にないモノになっている。ファジー暴れより仕込みやすいとはいえ、小技を刻まれ始めてからは別の防御方法のほうがいいように思う。

・ファジージャンプ

 こちらは「遅らせジャンプ」とでも言い換えられる防御方法。連キャン打撃はガードで防ぎつつ、遅れて出される当て投げのタイミングになったら上に入れて回避する動きだ。

 画面端だと対空されてしまうが、画面中央での後方ジャンプには大抵の対空行動が届かない。遅らせ打撃も大抵は回避できて、密着での攻めをローリスクに終わらせることができる。

 すぐにしゃがみガードに戻すように入力すれば、連キャン小技も続けてガード可能。「初段をガード→連キャン打撃に17→連キャン打撃に17」という感じで交互に動かして仕込む。単一のレバー要素だけで成立するので、ボタン行動と違ってカウンターで叩かれることもなければ、バクステと違って入力に難があったりもしない。画面中央にて攻めを拒否するだけなら、これが一番効果的な防御方法だろう。

 また、後方Jでも軌道変化技を出せるキャラなら、技の空振り確認で反撃してリターンを得ることまで可能。ブランカのエリアルローリングなんかは特に有用。

・パリィ連打

 シンプルに、小技を刻まれるタイミングに合わせてパリィボタンを押す行為。ジャストパリィのチャンスがそのたびに発生し、成功すればひとしきり反撃のコンボが通る。早すぎたら通常パリィ、遅すぎたら通常ガード、どちらでも特に問題なし。

 普通の技を1回受け止めると、Dゲージが1本回復する。パリィ展開時に約0.5本消費するので差し引き0.5回復と考えて良い。技をガードするとどんどんDゲージが削られてゆくが、ジャスト失敗でも減るどころか回復していくのが嬉しいところだ。

 パリィを入力してから、次にジャストパリィを成立させるまでに20Fのクールダウンが存在する。21Fに1回、2F受付のジャストパリィが出せる……ということは、ジャストパリィ不能時間は20Fというより実質19F。このクールダウンを早めに消費するためには、やや早めにパリィボタンを押すのが望ましい。早出しでジャスト失敗は通常パリィ化、これがそもそも美味しい。

 パリィが潰される択は、なんといっても投げ。どのみち通常投げは打撃より遅く来るので、パリィ遅出しでも確実にパニカンで掴まれてしまう。パリィ中は少しだけ投げられ判定が拡大しているらしく、相手が間合いを読み違えて投げを空振る可能性も低い。投げ対策のファジー暴れなどを裏の択として備えておきたい。

 また、パリィを解除した後の硬直はガードだけ可能な特殊なモノで、ここでうっかりガードを解いてしまうとパニカンで喰らってしまう。大抵はしゃがみガードのまま連打するので問題ないのだが、相手が遅らせ打撃に単発中段を用いてきた場合など、意識の隙間をついて崩されてしまうシーンがある。その場合はまあ、相手の攻めが鋭かったということで。

 ジャストパリィできた場合に発生遅めな強攻撃で反撃すると、硬直の短い小技に対しては確定していないことがよくある。小技割り込みジャストパリィの場合は、中攻撃での反撃が無難。通常投げはたまに空振るが、長いコマンド投げならかなり届く。

 ガチでキャラ対策するなら、あるキャラの小パンにこの強パンチが確定する! そして屈喰らい限定コンボができる! みたいなのをちゃんと覚えて、かつ実戦で冷静に確認できるとカッコいい。しかし超上級者向けの領域である。

・パリィ長押し

 ドライブパリィを使うのは先述と同じだが、こちらは連打ではなく長押しする場合。ジャストパリィは初段にしか狙えないものの、パリィを毎回張り直ししないのでDゲージ回復が非常に増える。ジャストパリィが狙える初段は差し引き0.5本の回復だが、残りの小技やキャンセル必殺技は1発受けるごとに1本回復。バーンアウトしかかっている状況でも、小技3発必殺技1発受け止めれば計3.5本回復も狙える。連係用の必殺技を入れ込むことが多い相手なら、ゲージ回復手段として試みてみるのも良いだろう。

 1発目はジャスト狙いパリィしておいて、2・3発目のところで56・56と入れ、小技刻みや必殺技連係が終わるところでパリィを離すファジーDRも可能。この場合、連キャン打撃がそのまま来たらそのまま防御、投げが来た場合はDRしているところを掴まれてパニカンしない。また、相手が無敵技警戒や投げ抜け誘いで後ろ歩きしているなら、そのまま小足で蹴ったり投げで掴んだりして逆襲の崩しも仕掛けられる。

 投げをパニカンで喰らった場合のDゲージ消費は、最初のパリィ展開約0.5本に足して1本、合計約1.5本の消費になる。パリィDRを掴まれた場合は、最初のパリィ展開約0.5本+パリィDRの追加消費で0.5本、合わせてDゲージ約1本の消費止まり。遅らせ打撃には引っかかるものの、暴れ潰しの連キャン打撃を防ぎつつ投げのダメージとゲージ消費も低減できる。

 このファジーDRは、小技刻みに割り込むのはもちろん、投げ間合い外での不利状況(リーチの長い牽制技をガードされたなど)でとっさにパリィする際にも有効。お返しの長リーチ技が来たらジャストパリィ、読まれて歩き投げが来てもパニカンせず、なんなら相手が委縮している場合はそのまま攻めていけることもあり。パリィをそのまま解除して長い硬直を晒すのが一番危険な行いなので、攻撃を防ぐかDRするか張りっぱなしにするか、上手く使い分けよう。

・ワンガード無敵技

 ごくごくシンプルに、小技と小技の隙間で無敵技を出す行為。もちろん、打撃にも投げにも勝てる両対応の技だ。入力できるなら非常に有効で、この選択肢をチラつかされるだけで相手は小技を安心して刻めなくなってしまう。ただし、無敵擦り癖を相手に見抜かれ、小技単発止めで釣られることもしばしば。このゲームはモダン操作の存在もあり、無敵技は警戒されがち。

 ガードされてしまえばDゲージかSAゲージを浪費したうえでフルコンボ、しかしヒットしても高いリターンというわけでもない(性能の良いSAを除いて)。「相手が攻めたがっている」を読んだときに「攻めの内容」までは考えずに出せるのが無敵技の強み。ここぞというときに狙いたい。

 また、発生の遅い無敵技に対しては、連キャン小技を出したうえでガードが間に合うこともある。「安全連係」とでも呼べるだろうか。SAは暗転が生じる都合、非確定の割り込みであれば相手は確実に防いでくる。歩き投げ(の前歩き途中)やシミーのように隙のない移動動作や様子見、遅らせ重ねや非連キャン小技のようにあえて作った微不利状況になっている相手に出した場合は、これも当然防がれる。また、ヒット数の少ないOD無敵技なら小技キャンセルインパクトをアーマーブレイクしきれずに舞い上がり、着地硬直を叩かれることもある。別の行動のついでに対処されるのに、防がれてしまってからのリスクは全行動の中でダントツ、それが無敵技なのだと把握しておこう。

 また、無敵技のコマンド入力に限ったことでもないが、連続ガードの硬直中にも下入れを離せば下段技で崩されてしまう。連キャン版は小技の発生が早くなるザンギエフ相手や自身のバーンアウト中なんかにガチャガチャしたりすると、割り込むのは不可能なのに下段ヒットだけはしてしまうのだ。詳しくは連ガ下段の項目で。

 キャミィのODスパイク、ケンのSA1、ディージェイのSA2、マリーザのSA3などなど、入れ替え性能がついた無敵技がある(マリーザSA3はどちらかというと運びかも)。これらは防御面での強みが光る技なので、もし画面端に追われた際に通せれば単なるダメージ以上の強みがある。この辺りは状況次第で織り交ぜていければ強力か。

 OD蛇軽功は動作が長いので、小技を振ってる最中に空振り確認で掴まれかねない。裏回ったあとでもパリィDRで追いかけて投げたりできるので、相手が抜け目ない場合は出さないほうが賢明か。

 ODスクトゥムは投げに負けるとはいえ、小技刻みには確実に切り返せるし、コマンドも竜巻or前SPなのでお手軽。なんなら小技の隙間が3Fある場合は通常スクトゥムで割り込めるが、小足や一部の屈弱Pなどの低打点技で潰されるので信頼性が落ちる。相手の動きが止まっていたら攻撃に派生できるとはいえ、素直にパリィでいい気がする。

 ちなみに、アーマーストップが短い技(例えば小技)のキャンセルでアーマー技を入れ込まれるとスクトゥムは一方的に負ける。例えば壁ドン狙いの小パン→インパクトとされた場合、小パンを受け止めての反撃をアーマーで止められてインパクトがパニカンしてしまうのだ。

 ODグラディウスも1Fアーマーだが、こちらは通常スクトゥム同様に低打点技に弱いのが致命的。自身は2回アーマー、相手にはアーマーブレイク、ガードさせて-2と各種スペックは優秀だが、もっと大振りな技に割り込む際に真価を発揮する。

 OD頭突きは後ろ入れでタメられるし、歩き投げにも当たる割り込み技。発生の早さゆえに当て投げに勝てるので、ワンガードで出す場合は擬似的に昇龍と近いものになる。ただし小技入れ込みインパクトには負けるし、ガードされればやはり無敵技同様に反撃が確定。

 ODアムネジアは、成立後に長い硬直がある&後ろに下がるので、投げなどの「隙の大きい攻撃を」「画面端で」受け止めた場合だけはハイリターンな確定反撃にいけるが、小技を受け止めるとむしろ不利になる。また、通常スクトゥム同様にアムネジアも隙間3F空き連キャンに割り込めるが、コマンドが厄介なのでモダンでないと難しいか。

 もちろん小技を受け止めた場合でも弾の存在が相手への嫌がらせになるのは事実だが、画面中央ならバクステなどで下がってパリィするだけ、画面端なら投げor投げ抜け動作中の無敵で回避したりアーマー技で受け止めながら殴り返したりと、対応方法がいくらでも存在する。コマンド投げのように隙が極端に長い技に限っては遠くからでも立ち中Pや前ステ打撃が確定したりするが、まあそのくらい。小技割り込み以外の状況で使いたい。

・ワンガードDリバ

 弱攻撃を1発防ぎ次第、素早くドライブリバーサルで切り返す行為。相手が連打キャンセルを入れ込んでいた場合、基本的に確定する。もちろんヒットしても回復可能ダメージをわずかに与えて吹き飛ばすだけだが、相手の攻めを簡単に終わらせることができるので、リスクを低減するという意味で役に立つ。

 Dリバにはアーマーブレイク性能があるので、インパクトやグラディウスといったアーマー技での横押しもぶち抜ける。そして完全無敵なので、遅らせ打撃や投げを狙う相手がうっかり確認失敗して技を出して来たら、そちらにも勝てる。様子見ガード以外には大概通るので、困ったら出してみてもいいだろう。非確定状況で放つDリバは、無敵技代わりに使える共通システムといえるだろうか。

 連キャンにはちょっとしたクセがあり、おそらく連打キャンセルと必殺技キャンセルのタイミング差によるものだが、「Dリバされたときだけパリィが出る仕込み」ができなくもなかったりする。ただしそれをすると指が忙しくて、肝心の必殺技キャンセルが上手く出せなくなるので、多分やってくる人は皆無。安心してDリバしよう(じゃあなんで語った?)。

 小技に対するDリバの弱点は3つ考えられるか。まず、Dゲージ2本消費が単純に重いこと。次に、相手がしっかり確認してガードしてきた場合、D2本減った上からさらに8F以内の技で確定反撃してくること。この2つは無敵技の弱点と近い。 そして最後が、小技のガードストップ時間が短い都合、かなりインパクトに化けやすいこと。インパクトに化けてコパコパで確認されてインパクト返しからKO! ……となると相当悔しいので、もしワンガードDリバを出すならめちゃくちゃ急いだ入力を心掛けたい。

おわりに

 小技ワンガードから、小技を刻むか当て投げするかの択に対する防御方法を考察・紹介した。他にもあると思う方が居たら後学のためにお聞かせ願いたい。

 打撃にはパリィ、投げにはファジー暴れ、モダンには後ろ歩き、読み合いを省く無敵技やDリバ、ざっくり分けるとこうなるだろうか。ジャストパリィもファジー暴れも両方リターンが大きいので、なるべくなら無敵技抜きで逆択を仕掛けていきたい。

 1つ前の記事は「密着1発目」、そしてここからは「小技届かぬ3発目」に続く予定。

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