ストリートファイター6:小技と投げをどう防ぐ 小技届かぬ3発目

マリーザがマノンの中足を立ち喰らいしている絵。 ストリートファイター6

序論

 密着で刻まれる小技と投げをどう防ぐかの語り3つ目。密着1発目投げ間合い外2発目はリンクを参照のこと。ここでは小技を2,3発刻まれた結果、ガードバックでとうとう小技も届かない距離まで下がってきてからの防御について考える。

 小技が短いキャラや、一部の小技を封じられたモダンキャラは2発刻みが限度になってたりすることがある。3発刻めたとしても、最後がキャンセル不可の小足しか届かない例もしばしば。立ちorしゃがみの姿勢の差、ヒットorガード・ノーマルorカウンター・単発版or連キャン版によるノックバック量の変化で2発止まりか3発いけるか変わる場合もある。

 DR打撃やJ攻撃表当て、つまり打撃を用いて密着有利を得た場合は、基本は残り2発刻みになるもの。しかしめくりJ攻撃は前方に押し出しながら後方に着地するので逆に必ずド密着になって3発安定するし、まれにDR密着小技4回刻めるキャラも居る。

 とはいえまあ、大抵は最終段をキャンセル可能小パンにした小技×3のレシピが1つはあるものである。

 小技刻み途中の場合は、攻撃側ができることも防御側ができることも比較的限られていた。だが、互いに投げも小技も届かない距離まで行けばもう、攻撃側が微不利の立ち回りに戻ったといえよう。唯一違うのは、攻撃側が最後の小技からキャンセルで技を出せる点。キャンセルの有利とノーキャンセルの微不利を併せ持つ、攻撃側の行動に焦点を当てて対処法を述べたい。

 結論としては、キャンセルならパリィとDリバとファジーDR、ノーキャンセルなら長い打撃を出せば大抵うまくいくはず。

キャンセル系

・小技3,4発目を出す

 キャンセルはキャンセルでも、連打キャンセルを継続する場合。とはいえ、『小パンが当たらなくなる距離まで押してからの小技』という矛盾した行動。暴れ潰しの置き、もしくはコンボ不可だが隙消しになる小足〆、その2通りで性質は大きく異なる。

 置きの打撃にするなら、相手の喰らい判定が伸びてくるタイミングにまで持続を残せるように、連キャンの隙間が大きい組み合わせを使い、可能ならディレイもかける必要が出てくる。喰らい判定が先行する技を防御側が早めに出した場合は、伸ばした腕や足先に引っかけるきとができるだろう。

 マリーザの「小パン→小足」のチェーンのように、普通に使うと隙間が5Fなど空いて割り込み可能な組み合わせは、逆に優秀な暴れ潰し技になるといえる。適材適所で使えるかも。

 ただし、連キャン中はずっと被パニカン判定になっている。相打ちするとしっかり不利になりつつDゲージも削られるので、暴れ潰しに使う技は吟味したい。普通にノーキャンセルで早い技(なるべくならキャンセル可)を置くほうが、基本は良いだろう。

 防御側の対処としては、そもそも動かなければ絶対に当たらない位置で出ているので、少々遅めに技を出せば良い。あくまで最速の場合のみ暴れ潰しになっているので。なんなら、判定が優秀な強攻撃などを出せばそもそも一方勝ちできることも。この辺は技相性の領域だろう。

 A.K.I.を筆頭に、小パンより小足がとても長いキャラは、最も手軽な隙消しの手段として「コア〆」が可能(コアコパコパコアみたいな感じ)。最後がキャンセル可能小パンではないのでコンボこそできないが、ガード確認で隙を消すぶんには関係ない。

 防御側がジャストパリィに成功してもちょうどいい反撃を咄嗟に出せないこともあるが、とはいえうっかり動いて喰らってしまってもリスクはほぼゼロ。残り体力ドットという状況でもなければ、あまり気にしなくてもいいだろう。

 とはいえ、間合いのド先端で「横幅が広がるしゃがみにのみ当たる」場合は、後ろ歩きやパリィDRで差し返したり立ち強攻撃を出したりすれば、立ち姿勢による回避と攻撃を両立させられることもある。

・キャンセル必殺技

 キャンセル可能小技から必殺技を出して相手を押し出す行為。ガードされても確定反撃のない技での隙消し、反撃されやすい技での暴れ潰し一点読み、連係チャンスを増やす突進技・移動技での再接近。おおよそその3通りに分けられるだろうか。

 ガードされても確反ナシ、判定が強力、暴れ潰しできるとそのままコンボ始動になるような性質が揃った技(強エアスラッシャーなど)は、特に有効な隙消しとして働く。また、ヒット時はコンボになりつつガード時は距離を離せる技の入れ込み(中ローリングソバットなど)も、気安く振れる代表例だろう。

 距離を詰められる突進技(多くは与ガード有利なものを選ぶ)で接近し直し、また連係を狙うことも考えられる。こちらは大概、有利フレームが多いものほど発生が遅くなっている。

 こういう状況でまず思いつくのは、インパクトのような1Fアーマー技での割り込み。多段技でもない限り、打撃技にはほとんど割り込める。そして割り込めた際は相手のDゲージを1.5本削りつつ、コンボチャンスや入れ替え択が生まれるという美味しさだ。

 ただし、止められない技がいくつか。まずは多段技、百裂脚や弱スピニング・ミキサーといった多段技には当然負けるし、必殺技ではなくキャンセル可の通常技を出されていたら確認されて返される。また、飛び道具をインパクトで受け止めると発生33F化してしまうという仕様があり、ソニックブームやOD版の弾といった動作が短い技の場合は平気でガードやインパクト返しが間に合う。それだけではなく、本来止められる技を受け止めた後でも、相手にSAゲージが豊富にあればスーパーキャンセルしてSA2やSA3を出してくることもある。リーサル手段として露骨に狙ってくる場合もあるので、アーマーに頼りすぎないようにしたい。

 ならば、ジャスト狙いパリィを出すのはどうか。相手が出す技にもよるが、多くは非常に有用。まず、打撃をジャストで受け止められれば激長時間停止が入り、好きな反撃が可能に。飛び道具を受け止めた場合でも、大足などを仕込んでいれば勝手に反撃してくれる(1ヒット弾に限り)。

 そして何より、失敗してしまった際にも隙が少ないのが大きい。まず、ジャストではない通常パリィだったとしても、Dゲージが削られるどころか回復する。しかもほとんどの打撃技にはDリバが確定。また、相手が技を出しておらず完全にパリィが空振りに終わっても、投げ間合い外なので投げられるリスクは少なく、なんならパリィDRで隙を消しながら逆に攻め込める。パリィするだけでDゲージを多少なりとも消費するし、読まれて投げや遅めの打撃を出されると負けるとはいえ、多くの選択肢に勝ちうるジャンケンの複合手となっている。

 無敵技を出す選択肢は、パリィに比べてリスキーさが上回るか。キャンセル技を出してきた場合はほぼ確実に反撃できるが、何もしてこなかったり前歩きしてきたりする場合にSAなら暗転確認でパリィされOD無敵なら空振ったりと、リスクリターンが釣り合わないと思われる。使える状況を選ぶなら、「入れ替えや運びの性能付き無敵技で状況を好転させる」「倒しきりのダメージを出す」となるだろう。Dゲージ削りがしたい場合は、ジャストパリィからパニカンコンボ→起き攻めで固め、とするほうがはるかに削れる。

 さて、多くの必殺技は暴れ潰しで出してくるものだが、「ガードさせて有利だが発生が遅い」タイプの技には割り込めたりする。その手の技を出してくる相手には、要所要所で割り込み技を振らざるを得ないこともあるだろう。当然その場合は相手の必殺技性能で色々対策が変わるが、考え方がいくつか。

 まず、キャンセルされなかった場合でも相手に届く長い技を使うと、判断を間違えても差し返しされにくい。次に、キャンセル確認で発生の早い技(硬直の長い技にはインパクトも)を出すことで、ガード有利技が来た際だけ割り込めることがある。そして、空中判定のよくある突進技には、1F対空無敵技なら確実に判定勝ちできて連ガなら技を出さずに済む。最後に、垂直Jや前方Jで飛び越えて一点読みJ攻撃を当てると美味しいが、どの性質も兼ね備えた行動はほぼないので、適宜使い分けたい。 さて、パリィDリバに限らず、ガードしてしまってからDリバを出したっていい。パリィだとDゲージ状況が大幅に良いというだけである。もし出す場合は、2本消費のOD必殺技に対して出すとゲージ消費がトントンになり、3本消費のキャンセルDRに対してなら1本お得になる。ごく一部、多段必殺技の初段が触れてから空キャン無敵SAができる場合もあるが、そんなテクニカルなことする人はほぼ居ない&途中段まで防いでからDリバすると予防できる。パリィできた場合は全段防ぐことで最大のDゲージ回復になるので、なるべく最終段まで受け止めてから切り返したい。

・インパクト

 なんとかなれーッ! で打ってくる、壁ドン狙いのインパクト。小パンキャンセルなのでガード硬直はわずか、フレーム的には簡単に割り込めるが、咄嗟に反応できるかというと無理なのはご存じの通り。

 投げで割り込める、ジャンプで飛び越せる、暴れを出せば確認可能。しかし相手の攻めを様子見ガードしていると強引に崩されてしまうことになるだろう。

 他の行動の対策をしていればついでで対処可能ではあるし、インパクト返し成功時は入れ替えコンボや後ろ投げのチャンスにもなる。そんな中でも特に、他のあらゆる行動の対策を兼ねたパリィがおすすめ。

 通常ガードだと壁ドンだが、パリィだと超長いヒットストップとともにDゲージがモリッと2本回復。微妙に投げ間合い外かつ反撃は確定しない-3Fだが、Dリバは確定するので状況次第で追い払ってもいいだろう。また、ジャストパリィからはそのままインパクトが確定。Dゲージ差を大きくつけながら入れ替えが可能となる。

・キャンセルDR

 小技からドライブラッシュし、再接近をはかる行為。ゲージ消費こそ重いしガード硬直も少ないので暴れこそ割り込みやすいが、展開が早くて対応が難しい。DRから直接の投げ、または一発ガードさせてから再びの当て投げで、密着投げ択が連続で飛んでくることとなる。

 ただし、小技キャンセルDRは、最速で4F技を出しても暴れ潰しにはならないほど隙間がある傾向にある。「当たった瞬間1F+最短疾走時間9F」で最低でもガード硬直10Fの技は五分状況となるうえ、最速キャンセルができないよう技ごとの個別でキャンセルタイミングが遅めに設定されていることがあるので、大抵は小技キャンセルDRした側が不利となっている。……ということは、無敵技などを出されない限り、最速小技割り込みが通るということ。

 DRの際には時間停止が生じる都合、キャンセル必殺技などに割り込む通常の暴れのタイミングより、もう少しだけ遅らせる必要がある。逆に言うと、小技3発ガード後に「中足→小パン」とテンポ良く押すことで、連係技を妨害しつつガードにも技が届き、キャンセルDRには小技割り込み可能となる。操作は煩雑だが両対応だ。

 ただし、例外は往々にしてあるもの。ちょっとガード硬直が優れてる小技の場合は、普通にキャンセルDRから微有利or五分になる。五分ならケン弱竜巻などの「4Fでダウン性能」で割り込めば相打ちさせ得だが、有利から暴れ潰しされたらもうコンボは免れない。よって、一般的なDR対策と同じように振る舞うこととなる。打撃択読みならパリィが有効、そしてシミーや垂直も来ないので遅らせグラも有効、DR中段狙いにはファジー暴れ/立ちガード/パリィも有効か。 とはいえ、やはり確実なのは切り返し行動。キャンセルDRはDゲージ3本消費なのに対して、OD無敵技とDリバは2本消費。割り込めたらDゲージ差を1本つけられるうえに相手がダウンするのである。普段ならもったいない切り返しも、キャンセルDRが相手なら使わざるを得ない。

 全キャラ共通で使えるDリバは、ガード硬直中に出せる唯一の行動。よって、DRの時間停止を利用して「ノーキャンセルなら最速暴れ、キャンセルDRされた時だけDリバ」のような仕込みも可能。1LK→3HPHK、のような具合。小技割り込みよりは、ルークやマリーザの連続パンチTCでガード確認のフォローとしてDRしてくる場合にかなり使えるはず。

 ただし暴れに使う技がキャンセル可能だと、相手に触れた後にインパクトが出てしまうのには注意。展開の早いゲームだが、キャンセル確認ができればそれが一番か。

 中攻撃や強攻撃などのリーチが長い技の場合は、硬直もその分大きいので基本的にDリバ確定。「キャンセルDRで隙を消しつつ無敵技で返す」「下がったり飛び越えたりする技などで回避」「発動系SA2で隙が消滅」のような場合だけ回避されて大ピンチになりうるのには注意。

 もし自分のキャラが発生の早い無敵技を持っており、それを出せるだけのゲージ状況とコマンド入力テクニックを持っているなら、キャンセルDRには是非割り込みたい。何度も言うようだが、3本消費のキャンセルDRを2本消費の技で防げればすっごくお得。そして無敵SAなら更に大きくゲージ格差がつけられる。クラシックなら真空コマンドが困難だが、モダンならワンボタンで簡単必殺できるから是非。

ノーキャンセル系

 小技刻みを終了し、かつキャンセル行動も出さないパターン。キャンセルの効く春麗小足のような例外を除けば、「コア〆」は基本的にこのパターンになるといえよう。

 もし画面端でない場合は、バクステで距離を開けることで、ノーキャンセル連係行動はほとんど回避して仕切りなおせる。キャンセル行動は小技のガード硬直分だけ攻撃側が有利だが、ノーキャンセルなら逆に微不利になるからだ。

 前進する動作のある強攻撃や突進技の先端を空振りさせれば差し返しが届くので、ローリスクだがリターンの見込める行動であろう。とはいえ支払える「ライン」が残っていればの話。

・長い打撃の連係

 必殺技キャンセルによる暴れ潰しとの択で、不利Fでもリーチの長い技で固める行為。よくある、「コアコパ中足」や「コパコパコパ強P」みたいなヤツ。基本的に小技はガードさせて不利なので、理屈では中足や強Pをするタイミングで割り込めるはずだが、反撃の技が短いと逆に潰されるおそれあり。

 攻撃判定の出現より喰らい判定の出現が先行する技で連係してくるなら、相手に届かない小技でも伸ばした腕や足に当たって止まるが、往々にして中攻撃や強攻撃は小技より判定が強いもの。もし相打ちどころか小技を空振って一方負けしてしまえば、パニカン始動のデカいコンボが始まってしまう。

 対策としては、相手はそもそも先に動けない不利状況なのに傲慢にも技を出していることを踏まえ、小技刻みで十分距離が離れてからは「発生が少し遅いが直接届く技」を出して反撃することが挙げられる。相手が中足先端を振りたがるなら、こっちが先に中足を出すのである。これなら相手の連係技に空振らず割り込めて、何も出されてなくとも触れる。ザンギエフやリリーなら打撃と弱スクリューで2択できることも。

 キャンセル可能技をガードさせたら、キャンセルDRで後ろ投げするチャンスが生まれるが、こちらが出す返しの技を読んだ攻撃側がジャストパリィやDリバしてくると大ピンチなのには注意。

 または、急に前方ジャンプするのも案外アリ。相手が連係に用いる技の全体動作がそれなりに長いものだと飛びが確定するし、硬直が切れても咄嗟に対空を出せないこともある。「前方Jで裏回れる距離」・「通常技対空キャラ、または対空の不得手な人」・「連係技の硬直が大きい」あたりの条件を1つ2つ満たしていたら、果敢に飛べば踏めることもしばしばである。

 むやみやたらに動いて攻撃を喰らいたくないなら、パリィを狙うのもよい。波動拳だろうが中足だろうがインパクトだろうがパリィすればDゲージ回復のチャンスだし、ジャストパリィできれば強攻撃以上で反撃できる。もちろん投げ間合い外なので、ジャスパ後にはこちらも長い打撃技から運び・入れ替えコンボを狙いたい。また、ジャストじゃなくても大抵の長い技にはDリバが確定するので、面倒なら押し返すと良い。

 相手が技を出さなかった場合に、パリィ空振り確認から前歩き投げされることが起こりうる。もし空振った感じがあったらパリィDRして隙を消そう。パニカン投げをもらうよりも受けるダメージやDゲージ消費が減りうるし、攻めが通ったら逆に攻守交替である。

 ガードを続けていれば、長い強攻撃からのキャンセル必殺技やDRで再接近されることも起こりうるだろう。その場合はもう立ち回りのときと同様の対策だ。パリィや無敵技やDリバ・突進技にインパクトや暴れ割り込み・空中判定なら対空無敵技などなど……で防ぎたい。

・前歩き打撃、前ステ打撃

 キャンセル技による暴れ潰し択との対で、不利状況でも図々しく再接近して攻撃すること。前歩いて屈中Pガードさせて有利、みたいなヤツだ。

 性質としては長い打撃の連係と結構近い&より弱点が多い。発生が遅い技で叩けるのはもちろんのこと、短い技でファジー暴れ的な動きをしても当たりに来てくれる。近づいてくるので、OD無敵技がスカる可能性も低い。そして前方Jなら確実に飛び越えられる(めくりJ攻撃が当たるかは別問題)。

 相手が出してくる技は必然的に全体動作の短い弱攻撃・中攻撃になるのでインパクトやワンガードDリバは確定しにくく、そして硬直のない行動である前歩き中の相手にSAの暗転を見せると絶対にパリィされるところは上の連係との違いか。

 とはいえ、短い打撃も長い打撃もヒットするので、とりあえずボタンを押せば(そしてキャンセル技を入れ込めば)防ぐのはたやすい。打撃択なのでパリィできても美味しい部類だが、真下の項の歩き投げには要注意。

・前歩き投げ、前ステ投げ、シミー

 キャンセル技による暴れ潰し択との対で、不利状況でも図々しく再接近して投げてくること。ほぼ全ての防御で有効に機能するドライブパリィを崩せる、数少ない択のひとつでもある。

 前歩きや前ステはもちろん通常技を押せば止まるし、斜めジャンプで離れてうやむやにするのも良い。パリィを押してしまっていても、もう少しだけ長押ししてパリィDRまで出してしまえばパニカンしなくなる。ただし、反応が遅れてしまえば密着されることもありうるだろう。

 もし前歩きをねっとり見せつけられた場合は、咄嗟に遅らせグラしないほうがいい。歩き投げに遅らせグラするくらいなら、慌てて小技か下段で足掻いたほうが結果的にイイ感じになる。仮に歩き投げや歩き打撃が当たっても少ないダメージだが、シミーで投げ抜けを誘われるとその数倍のダメージのフルコンボが決まってしまう。また、相手の技の出がかりや後ろ歩きやバクステに何か当たれば美味しいのは言うまでもない。

・置き打撃、差し返し打撃

 小技を出し切って不利Fを背負ったから、そこに防御側が返しの打撃を入れてくるのを読み、その発生前に先行した喰らい判定を叩くものが置き打撃。得てして出が早くスキの少ない技を出すので、ジャンプやインパクトは確定しにくい。

 こういう状況で互いに何を出すと勝つのかは、いわゆる「技相性」というヤツになってくる。攻撃判定と喰らい判定がパズルのピースのように重なって、特定の中足に対して特定の立ち小パンが勝つというのもしばしば。目安として防御側は、自キャラの出せる技のうち、攻撃判定発生前に喰らい判定が前方に出てこないものを把握して使うと比較的勝ちやすい。例えば中Pや強Pなどが定番か。とはいえそれも含めて技相性なので、この辺は個別のキャラ対か。

 小技を出し切って不利Fを背負ったから、そこに防御側が返しの打撃を入れて来るのを読み、それを回避しつつ空振りのスキを突くものが差し返し打撃。通常技のみならず、サプレッサーのように出がかりで下がる技、あえてノーキャンセルで少し待ってからいきなり出す突進技なども含む。こちらは発生が遅く全体動作が長い技を使う、またはタイミングを遅らせる傾向にあるので、置きに比べてジャンプは確定しやすい。

 差し返しを透かしたところに差し返すとか、遅らせ打撃を置くとか、ここまで来たら単に立ち回りの読み合いである。相手に直接届く打撃を素直に出す、微歩きで詰めてガードや打撃、パリィとDRを組み合わせる、思い切って飛んでみる、黙って連係を受け入れてチャンスを窺うなど、その相手キャラとプレイヤーを見て立ち回りたい。

・インパクト

 こちらの長い打撃を読んでか読まずか、おもむろに出してくるインパクト。ジャンプでもキャンセル可能通常技でも多段技でもパリィでも投げでも、または反応してのインパクト返しでもSAによるアーマーブレイクでもなんでも対処可能であるがゆえに、引っかかるとめちゃくちゃムカつく技である。

 もしインパクトで技を受け止められてから当たれば膝崩れダウン、画面端に近ければノーマルヒットでもガードでも壁張り付き。テキトーに出されてるのにリターンは莫大なのが厄介。

 防御側の対策としては、やはりパリィが多くの択の対策を兼ねてて楽。「小技を刻まれる→キャンセル必殺技や中足などの連係技をジャスパするタイミングでパリィを押す→発生の遅いキャンセル技(またはパリィ解除硬直パニカン狙いの中段)のタイミングまで少し長めに押しっぱなし→何もされなかったらパニカン歩き投げ回避のファジーDR」というタイムラインになるだろうか。文字で見るとややこしいが、要するに「ジャスト狙いパリィ→少し長押しを続けつつパリィDR」である。

 また、通常技を出す際はキャンセルDRを入れ込んでおき、走り出した際に確認してインパクト返しをキメると確認が簡単。インパクトではなく無敵技でも可能で、そちらは無敵なのでDR対策のDリバを更に突破可能、SAならバーンアウト中でも出せる。単発確認可能なスパキャン対応技(多くの必殺技とか一部の強攻撃とか)を出す場合は、SAのコマンドをぐるぐる回しておくのも良い。弾やジュリ中K初段のような「出がかりだけキャンセル可能技」を、動いた相手にだけ出がかりが当たる位置で出すなら、SAを入れ込むだけで自動ヒット確認となってくれる。ジュリ中Kはインパクトも可能。

・パリィボタン(中P中K同時押し)とインパクトボタン(強P強K同時押し)を設定してないクラシック勢がもし居たら、絶対設定する(居るのか?)。

・インパクトを返すのに失敗した後でもインパクトボタンを押し、習慣づけする。硬直中に先行入力できず返せないパターンを防ぐために、なんなら2,3連打する。対戦動画なんかを観てる最中にも心の中でインパクトを押し、マッスルメモリーに刻み込む。

・設定で「SA・ドライブアクション発動SE音量」だけを上げて他の音量を下げることでインパクトがクソデカ音量になるようにする(SAとかOD技とかもデカいのが難点)。

・オーディオ遅延が少なくサウンドが良質な、有線のヘッドフォンやイヤフォンで音をしっかり聞く。

・スト6の設定で入力遅延軽減ONに・VsyncをOFFにするなど、細かく遅延軽減していく。スト6のグラフィック設定やお使いのモニターの設定もいじって処理と遅延をなるべく軽くしてみる。

・遅延の軽減とは別に、インパクトの色鮮やかなエフェクトの確認も大事なので、モニターの設定で見えやすく調整してみる(彩度やシャープネスなど)。モニター関連の色々は、専門の人の解説動画か何かを見るべきだと思う。

・リフレッシュレートに優れた小さいモニター、入力遅延の少ないコントローラー、高品質な有線接続、といった環境の改善を積み上げる。

 ……といった涙ぐましい努力で、少しでも反応が良くなるかも? 別に私も試してないので、保証はしません。

・パリィ、そしてパリィDR

 防御側の反撃を警戒し、攻撃側がジャスト狙いパリィを出す行為。「投げ間合い外の不利状況」で出す逆択パリィが強いという定説は、もちろん連係途中の割り込みを防ぐ際にも適応される。

 コパ中足に割り込む中足をジャスパすれば当然フルコンボだし、ノーマルのパリィになっても問題なし。そして相手もワンガードDリバができるので、キャンセルDRを安全に防いでくるおそれあり。歩き投げしようにも普通に技を出されたら危険だし、パリィDRされたら投げのパニカンもないどころか攻め継続がありえる。というわけでいいことずくめではあるが、それでも反撃しなければ始まらない。

 まず、パリィDRをせずに解除したり長押しで突っ張ってきたりする相手には普通に空振り確認歩き投げ・防御側からのパリィDR投げが効くし、パリィ解除時はガードだけできる特殊な硬直なので中下表裏択が通るとパニカンする(咄嗟に中段を出すのは難しいが)。そしてパリィDRしてきても、出始めの疾走部分はフツーに無防備なので打撃や投げがヒットする。また、ちょうど自分が前方ジャンプしていた際はパリィを確認してJ攻撃を出さないことで投げられるし、めくるとコマンド入力が入れ替わるのでパリィDRもされにくい。もし打撃を出さずに済んだ際は、慌てずに投げに行きたい。

 攻撃側がパリィDRを最速で行う場合(いわゆる生ラッシュ)は、こちらが何か技を出してさえいれば、突っ込んできたところを止められる可能性が高い。良くも悪くも距離が結構近いので、必殺技でのDR慣性消しが間に合いにくく、急停止ガードも困難、そして投げ間合いに入るまでが早い。

 普段の立ち回りでの遠距離DRでは小技バリアによる投げ防止・ジャスト狙いパリィによる打撃対策が2択になるが、こちらはもう反応も十数Fで行わないといけないのでシビア。あらかじめ出していた長い打撃が噛み合ってくれるのに期待したい。

 ただし、攻撃側が「小技刻み→硬直明けパリィDR」と入力するのは見た目より難しい。何故なら、タイミングが早いとキャンセルDRが出てゲージをモリッと消費してしまうから。相手は安定させるために連キャン最後を小足にした「コア〆」にする可能性が高いが、それは自らキャンセル択を捨てるということ。なおさら中足や強Pを出せばパリィ以外全部に勝てるので、反応に自信があるなら小足確認で長い打撃を出すといい。また、相手のパリィDRに中足を置いていれば、時間停止中に「距離的に絶対当たる」の状況確認ができるので、スト6では珍しく中足単発確認が可能なのも見逃せない。

手前味噌。実戦でこんなのいちいち狙ってたら脳がいくつあっても足りないと思うけど、もし無意識に反応できるようになったらアツいかも?

・飛び込み、垂直置き

 相手に向かって前方J攻撃を仕掛けに行くのが飛び込み、その場で縦に飛び上がって様子見・降りJ攻撃置きをするのが垂直。

 前方Jでの飛び込みに関しては、頑張って対空するのが一番。相手は微不利から飛んでいるので、こちらは「中足や強Pの空振り→硬直が解けたらすぐ昇龍やジャストパリィ」のようにすれば対空が間に合う。1F対空無敵を持ってるキャラは、硬直明け昇龍を手癖にすべきである。

 ただし、キャノンストライクを筆頭に、急降下キックによって鋭く切り込む「とんおり(飛んで降りる)」系は相手への到達が早い。とんおりのできるキャラに対して中足を出すと、硬直が解ける前に踏まれることがしばしば。こういう急降下技は判定が弱い傾向にあるので、打点の高い立ち攻撃なら牽制ついでに落としてくれることがある。とんおりも落とせる立ち技を置いておくか、「とんおりを見てから立ち弱Pで対空→通常飛びには硬直明け昇龍」とするかで対空は可能。突進技の一種と捉え、上手く対応したい。

 垂直置きは厄介で、確実な対処があまりない。昇龍対空は届きにくく、空対空は早出しされたら勝てず、空ジャンプだと着地の隙も皆無。なんならジャンプ中に無敵技のコマンドを回し、着地即SAをぶち込んでくる可能性まである。対策はいくつもあるものの、どれも難しめ。ヘタに動かなければ向こうのJ攻撃も届かないので、下がれる余地があるなら後ろ歩きをして間合いを調節したい。

・斜め上に長くて判定の強い強Kなどを直接当てに行く。降りから着地くらいのタイミングで、可能なら前歩きもしてから叩く。相打ち前提の強攻撃だとリターン負けしにくく、そしてガードされても牽制の形になるので問題ない。また、もし相手がJ攻撃をとりあえず出しているようなら、伸びた喰らい判定に向かってその技先端で差し返すのも比較的ローリスク。

・空中に居るうちに叩くのを諦め、飛び道具や突進技などを着地にガードさせる。ただし相手が長いJ攻撃を置いてると、出がかりの喰らい判定を蹴られる可能性があるのに注意。

・前方J中Pなどで空対空する。結構踏み込みつつ、しかもタイミングが良くないと当たらないが、リターンは上々。TCや必殺技キャンセル、着地後の追撃なども可能なら忘れずに。

・横に長い無敵SAを出す。咄嗟にコマンドを作れるコマテク(またはワンボタンで簡単SA)があり、着地ガードされないタイミングで出せるのなら非常に有効だが、早出ししすぎると逆に暗転確認で滞空されたり無敵が切れたりするので、安定させるのは難しい。

・しゃがみに当たらないJ攻撃(JPのJ中Pとか)なら、大足などのしゃがみ技を合わせる。ただしJ強Kとの2択なので、両方とも落とせる技があるならそれが一番。

・パリィDRしたタイミングでちょうど相手が垂直していた場合は時間停止中に確認できるので、通常技対空から浮かせて追撃可能。

・ガイルなどのタメキャラは「キャンセル可能弱攻撃空振り→パリィボタンで空キャンDR→サマソ」という入力をすることで、ドライブ3本消費だがスライドしながら対空無敵タメ技が出せる。Dゲージを使っていい状況なら役に立つかも。昇龍キャラでも当然可能だが、タメに縛られないのなら前歩きかパリィDRで出したいところ。

・後ろ歩き、もしくはしゃがみガード

 小技を刻んだ後、反撃を警戒したりベストな間合いを作ったりするために、ガード方向に入れて待つ行為。無論、このゲームで一番強固な動きの一つ。

 投げ抜けを誘うシミーでもそうだが、ガードする行為というのは安全である。しかも相手が無敵技や牽制などを空振りしてくれれば、そこを突くだけでフルコンボが始まりかねない。硬直も一切ないので対空だって安定する。ゼロに近いリスクから莫大なリターンが得られるのが、様子見の強み。これが恐ろしいがために、人々はむやみに無敵技をパナさなくなるのであった。

 とはいえ、攻撃側が何も出さないということは、防御側もなんか好き放題できるということ。打撃技にはどれも「ガード待機判定(影縫いとか空ガード判定とか言われるもの)」がついており、技ごとによってまちまちだが、通常技はおおむね2F目にその判定が出る模様。これに触れると後ろ歩きが封じられ、後ろに入れても立ち止まってガードポーズを取ってしまう(インパクトやJ攻撃で顕著)。中足先端が後ろ歩き(立ちガード)に回避されず当たるのも、突進技を目の前で空振りさせるにはバクステしか方法がないのも、飛び道具が近くに迫ると後ろ歩きで逃げられないのも、これが理由。

 ノーキャンセル系の基本の対策である「直接届く技をガードさせる」をすれば問題なく当たるし、パリィ対策の歩き投げでも案外掴みに行けることはある。また、大きな隙を晒す技を出さなければ、そもそも防御側もリスクは生じない睨み合いに戻る。結局のところ、キャンセルで出す技をどう防ぐかが重要である。

おわりに

 ……という具合で、小技と投げの2択、に見えて十数択くらいあるヤツについての長ったらしい語りもついに終わり。遠間でのキャンセルはパリィとDリバとファジーDR、ノーキャンセルは長い技で凌げばいいという結論だった。

 さてさて……色々あって書くのに相当な時間がかかってしまい、豪鬼もベガも起き上がりDリバも追加されてしまった。そして言い訳臭い話だが、「こんなにとっ散らかった記事の形態でいいのか?」と今自分に問うている。前編と中編同様に防御側の行動から参照したほうがよかったのかも。とはいえ最初に「攻撃側の行動から書くしかない!」と思った自分の判断もあるし……。その中間で、キャンセルとノーキャンセルで大別とか? もしこの文章をリメイクすることがあったら結構変える可能性が高い。しかもサムネ絵描くためにまた時間かかったし……。

 いい防御方法、または私の見落としている攻撃側の択があれば情報ください。

 この記事は、2024年9月2日時点の情報です。

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